まばたきするたびきらきらしている

 ふと意識が浮上する。目を開けたらすぐにこっちを向いてすやすやと眠っている翔さんの綺麗な顔が見えた。嬉しくなって翔さんの胸に頬を寄せる。翔さんの匂いに包まれて幸せな気持ちになっていると、ぎゅうっと抱き締められた。

「おはよう、すずちゃん」
「おはようございます……」

 起こしちゃった。でも幸せ。すりすりと胸に頬擦りする。翔さんはふふ、と笑って私の頭のてっぺんにキスをした。
 カーテンの隙間から光が差し込んでいる。今何時だろう。少し離れて時計を見ようと体を起こす。すると後ろから抱き締められた。

「どこ行くの?」
「今何時かなって。あ、翔さん、もう7時だ。そろそろ起きて準備しないと引越し屋さん来ちゃいますよ」
「まだ大丈夫だよ。ちょっとイチャイチャしよ」
「ダメですよ、朝ご飯を……ひゃっ」

 Tシャツの上から乳首を擦られる。寝る時はブラをしていないことはもちろん翔さんは知っているから。

「イチャイチャって、エッチするってことですか……?」
「うん、一回だけ」
「ダメですよ、エッチしたら私立てなくなっちゃう……」

 いつも翔さんに抱かれた後はヘロヘロになって身体に力が入らないのだ。この後の引越し作業のことを考えるとやめておいたほうがいい。なのに翔さんは私のお尻に硬いものを押し当ててきた。

「すずちゃんが可愛いこと言うからこんなになっちゃった」
「……っ」

 翔さんに抱かれ尽くしたこの身体はそれだけで簡単に火照ってくる。抵抗しているように見せかけて抵抗する気はほとんどなくなってきている。私はすんなりとベッドの中に引き戻された。

「結婚して初めてのエッチだね」

 私を組み敷いた翔さんは甘すぎる笑顔でそう言って私の左手の薬指にキスをした。そこには翔さんに買ってもらった結婚指輪が輝いている。私の手を握る翔さんの左手の薬指にも同じもの。
 私たちは昨日婚姻届を提出した。これで私は牧瀬すずになった。私たちは夫婦。永遠の愛を誓い合ったのだ。

「すずちゃん愛してるよ」

 翔さんのその言葉は聞き慣れたものなはずなのに、何故か私の胸を大きくドキンと高鳴らせた。翔さんはこれから私の旦那さんなのだ。そして私は翔さんの奥さん。幸せすぎて胸がいっぱい。
 翔さんはキスをしながら私の胸を揉んだ。最近持っているTシャツがキツい気がして、翔さんのTシャツを借りている。太ったかなと思ったけれど体重は変わっていない。胸が大きくなったのだ。

「すずちゃん、ほんとにエッチな身体になったよね」

 反応だけでなく、体型も。翔さんに抱かれてどんどんいやらしくなっている。翔さんは指で身体をなぞった。胸、お腹、腰、脚。触れられるところが熱くなって、びくっと震えた。

「可愛い俺の奥さん」

 翔さんは美しく微笑んで、自分のTシャツを脱いだ。翔さんは私のことをエッチな身体だって言うけどそれは翔さんのことだと思う。引き締まってしっかり筋肉のついた男らしい身体。見る度ドキッとするんだ。

「私の、旦那さんは、カッコ良すぎます……」

 ほうっと見惚れながら吐いたため息は何だか変態っぽかった。恥ずかしくなっていると、翔さんにぎゅうっと抱き締められる。

「可愛すぎる……。ごめん、手加減できないかも」

 Tシャツは着たまま、パンツを脱がされる。きゃっ、と小さく声を上げると、すぐに脚を大きく開かれた。

「すずちゃん、もうここトロトロだね。すずちゃんもエッチしたかったの?」
「っ、だって、翔さんが素敵だから……」
「可愛い。いっぱい気持ちよくなろうね」

 翔さんはそう言ってそこに顔を埋めた。きゃう、と甘い声が漏れる。ペロペロと舐められて、そして舌の先端でコリコリとクリトリスを突かれる。翔さんの手は胸に伸びて乳首をTシャツの上から弄っていた。

「んんんっ、あっ、ああっ」

 まだ触れられて間もないのに身体は簡単に熱を帯びていく。朝からこんなにエッチなことをしているなんて。その背徳感も私の気持ちを昂ぶらせた。
 もう一方の手が中に入ってきた。ぐずぐずに蕩けたそこは簡単に翔さんの指を受け入れる。

「あっ、あっ、だめ、」

 三ヶ所を一気に攻められると息も出来ないほど感じてしまう。はっ、はっ、と浅い呼吸を繰り返して、そして。

「っ、あっ、イく……っ」

 びくん、びくん、と身体が震えた。中が翔さんの指をきゅうきゅう締め付けるのが自分でも分かる。翔さんが身体を起こしてズボンを脱ぐ。それは下着の上からでも分かるほど大きくなっていて、下着を下ろすと震えた。

「すずちゃん、愛してる」

 ピトッとそこに押し当てられたそれは熱くて。翔さんの甘い笑顔にドキドキしていられたのも一瞬だった。

「んっ、んんんっ」

 ゆっくりと入ってくるそれは、熱くて硬くて大きい。一番奥まで入ると、まるでパズルみたいにはまった。

「すずちゃんのナカ、気持ちいい」

 そう言った翔さんがあまりにもセクシーで、きゅんと子宮が疼いた。同時に翔さんのそれを締め付ける中。絡み付いて離さないように畝る。

「締めすぎ」

 翔さんは苦笑いして、それでもやっぱりたまらなくセクシーで、もう我慢できなかった。腰が勝手に動く。寝転んでいるからあまり上手にはできないけれど、少し腰を浮かして、翔さんのそれを抜いたり、呑み込んだり。それでも気持ち良くてたまらない。一番奥に当たると、脚がガクガクと痙攣した。

「かけ、る、さ、」
「……」
「きもちい……っ」

 そう言った瞬間、腰を掴まれて。ズン、と一番深いところを突かれた。ひっ、と小さな叫び声を漏らす。シーツを掴んで背を仰け反らせる。あっ、あっ、と勝手に声が漏れて、目を見開いた。

「すずちゃん、一回で終わらなかったらごめんね」

 そんな言葉が聞こえた途端、激しく奥を突かれた。パンパンと肌と肌がぶつかる音が響く。声も出せないほど激しい動きに翻弄された。

「ごめん、一回イくね」

 その言葉でやはり一回では終わるつもりがないと気付く。何も言えないまま揺さぶられて。

「っ、あっ、イく……っ」
「んっ、あああっ」

 どぴゅ、どぴゅ、と一番奥に注がれるのを感じた。熱くてたまらない。勝手に痙攣する身体を翔さんは包み込むように抱き締めた。

「すずちゃん、まだしたいけどすずちゃんを困らせるの嫌だからやっぱりやめる。引越し終わったらしよっか」

 何だかとても悲しそうな声だけれど、私としてはそのほうが助かる。引越しの時に全然動けないのは困るし、その理由がセックスのせいだなんて死んでも言えない。

「すずちゃん、愛してる。朝ご飯作ってくるからすずちゃんはもう少し休んでて」

 翔さんは私の額にキスを落として寝室を出た。しばらくすると美味しそうな匂いが漂ってくる。ちゃんと2人分作ってるかな。翔さんはコーヒーだけで済まそうとしていないかな。そんなことを考えながらベッドの中でうつらうつらしていた。
 翔さんが起こしに来てくれて、私は起き上がる。怠くて動くのが遅いと、翔さんが私を抱き上げた。キスをしながらリビングに向かう。

「翔さん、嬉しいけどTシャツとパンツは着たい……」
「?そう?」

 本気でキョトンとするのはやめてほしい。翔さんは上半身は裸だけれど、パンツとズボンは履いている。
 寝室から持ってきてくれた翔さんは丁寧に優しく着させてくれた。甘やかされるのは今日だけじゃない、いつものことだ。

「いただきます」

 翔さんが作ってくれたスクランブルエッグを頬張る。美味しい。顔を綻ばせると翔さんは優しく微笑んだ。

「あ、今日はちゃんと食べてくれるんですね」
「うん。これから俺は旦那さんとしてすずちゃんを守っていかなきゃならないからね」

 誇らしそうに言う翔さんが微笑ましくて愛しい。食に無頓着だった翔さんが私と付き合うようになってちゃんと食べてくれるようになったこと、本当に嬉しい。

「すずちゃん、俺と出会って結婚してくれてありがとう」

 嬉しくてこそばゆくて、笑った。

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