とある朝の出来事


注意:現パロ


「おーい、起きろー」
AM6:30 やっと空が明るくなり始めた頃、今日もこの言葉から始まる。


何回呼んでもアイツの起きる気配はない。
まぁこれはもういつものことだ。一緒に暮らすようになってそろそろ1年くらい経とうとするがまともに起きてきたことなんて右手で数えれる程度だ。
ほっとく、という手もある。
しかしやったらやったで後がウザい、とてもウザい、かなりウザい…とにかくウザいのだ。
幸せが逃げるとよく言われるが溜息を一つついて俺は部屋の扉に手を掛けた。


「おい鬼柳!いい加減起きやがれっ!」


アイツもとい鬼柳は案の定、ベッドの住人よろしくな状態だった。
こいつはとことん寝汚い。俺も大概寝汚いけどそれ以上だ。
バイトの時間も差し迫っているのでいつもお決まりの台詞をここで一発…

「起きねぇなら俺ここ出ていくからな」
「おはようクロウ、いい朝だな!」

出ていくが言い終わるか言い終わらないかくらいでパッと布団から飛び起きる鬼柳はある意味面白い。いや面白いというよりウザい。
もともと顔のつくりがかなりいいせいで寝起きですらイケメンというのもウザい、世の中不公平過ぎるぜ。
ワザとらしいようなこの起き方に苛立ちを覚えることもだいぶ無くなった。慣れってヤバい。

「さっさと準備してメシ食えよ。俺もうちょいしたらバイトだから、皿とか箸は流しに片しといてな」

とりあえず起きたら一応は行動をとってくれるので、この後のスケジュールを伝えて俺もバイトの準備をする。
そしたら後ろから茶碗を持ったままの鬼柳がべったり張り付いてきやがった。


「なぁクロウ、いい加減俺のこと名前で呼べって。そしたらちゃんと起きるからさ」


なぁなぁとデカい図体を押し付けて名前を呼べと連呼し出す。
これもいつもと同じやり取りだ。俺より年上のくせにマーサの施設にいるとこのガキ達と同じくらいの甘えたがり。
一緒に住むようになって1年くらい、まぁそれよりも前から交流あったからそれなりの時間をこいつと共有してるし、名前を呼んだことがないわけではない。
呼んでやってもいいけど後が怖い。
朝起こしに行ったはずがそのままご休憩コースの予感がしてならないのだ。
(一応俺達は恋人と呼べる関係に、ある)
それに名前なんてそんなポイポイ呼ばなくても、そういう時だけでいい…そういう時だけだ!


デカい図体を払いのけて玄関へ向かう。
靴を履き終えドアの取っ手を掴んだところでお約束のように鬼柳がくる。
これもいつも通りだ。

「気を付けていってこいよ」

「おう」

「飛ばし過ぎんなよ?」

「わーってるって」

「変な奴に声掛けられたらすぐ呼べよ!」

「アホか!んな奴いねぇよ」

「んで事故ったら赦さねーかんな」

「…おう」


そしたら鬼柳が俺の顔をぐいっと動かしてキスをする。
んで眩しいくらいの笑顔でこう言うのだ。

「今日もすっげー愛してるぜ!」


そうして俺はいつもどおり、顔を真っ赤にしてバイクに跨ることになる。





ちゃっかり現パロ、何だかんだ言ってるけど京介大好きなクロウさんになってたらいい。
京介は大学4年生くらいでクロウは短大2年生くらい。高校の頃から付き合いがあってクロウが短大生になったのを機に一緒に暮らすようになった、みたいな設定があったり。






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