知ってしまった


注意:初っ端からえろいです








ぐっと息をつめる音が狭い部屋に響き渡る。
ぎしりと安いベッドのスプリング音と共に、ブルーノはつめていた息を吐いた。


「く、クロ…だめだよ、放して」


くしゃくしゃと自分の足の間にある綺麗な橙色の髪を引き離そうと必死にあがいているのに本気で引き剥がせないという矛盾がブルーノを襲う。
クロウは抵抗を見せるブルーノにやきもきしながら行為を進めた。
ぐっと飲み込み喉の奥で刺激し、少し戻して先端を丹念に舐めあげる。
人より大きいブルーノのものをすべて包むことは困難で、クロウは口だけではなく手も使って刺激した。


「だめ、本当にだめだから。お願い、クロウ…ッ、うぁ!?」

やめさせようと今度こそ手に力を込めてクロウを引き離そうとした時にクロウの歯がブルーノのものを擦ってしまい、その刺激に我慢の限界がきていたブルーノは引き離したと同時にクロウの顔へ精を放っていた。


「…んぅ、あ」

「はっ、はぁ…ごめん、ごめんねクロウ!」

顔に飛び散った精をブルーノの手が急いで拭うが、クロウの口の端からも零れているのを見て顔が一気に青ざめてしまった。

「早く、我慢しないでいいから…出して?」

クロウの口元に手を持っていき吐き出させようとするもののクロウは拒んだ。
しかし全て受け止めたわけではないにしろかなり大量に口の中にも残っていたのか、粘着力のある液が喉をうまく通ってはくれない。

「いいから」

今度は有無を言わせない剣幕でブルーノが手を近付けた。
クロウの口がゆっくり開き白い液が舌を伝って大きな手へと零れ落ちていく。
苦しかったのか嗚咽をもらすクロウの背をゆっくりとブルーノは擦った。
暫くそうしているとゆっくりとクロウの身体がブルーノの胸元へ凭れ掛かる。


「わりぃ…飲めなかった」

「…どうして?」


申し訳なさそうにクロウが小さく謝るがブルーノにはそれがどうしてなのかわからなかった。


「どうして…僕は放してって、飲まなくていいって言ったじゃない」


この行為自体が綺麗なものじゃないにしろ、ブルーノとしてはクロウにそんな汚いものを飲ませてはいけないと思ってのことだった。
本来飲めるものでもないものだ、自分で飲んだことがないにしろ味に関しては間違いなくおいしいと呼べるものではない。
するとクロウは首を傾げた。

「だって飲むのが普通、じゃないのか?」

「…っ!」

困惑しながらブルーノを見上げるクロウの目を見てブルーノは少し悲しくなった。
自分の知らないクロウを知ってしまった。
きっと昔、そういった行為をしてる時に教わったのであろうその知識が。

今は治安も安定してきたにしろ、昔のサテライトは子どもが生きていくには辛い場所だったとみんなから聞いていた。
勿論安易にそれを受け止めていたわけではないが、今の年齢よりも更に幼かった時にそんな行為に及ばないといけないくらい…きっとそれが生きるためだったにしろ、クロウにはそれが当たり前のことだったのだと思い知らされた。
そして自分の知らない人がクロウを抱いたということに嫉妬している自分もいた。
そう思うといてもたってもいられない衝動に駆られ、ブルーノはクロウの小さなからだを思いっきり抱きしめる。


「ブルーノ?」

「その、なんて言えばいいのか…なんだけど」

もだもだと必死に言葉を出そうとするがまとめれない。
慌てて困った顔をしているが抱きしめる腕はやはり強く、目を逸らすことなくこちらを見つめて言葉を紡ごうとしているブルーノを急かすことなど出来なかった。
じっと、彼から何かを言われるのを待とうと決めたクロウはブルーノを見上げた。


「僕以外の人には、しないでね」


こんなことしか言えない自分をブルーノは恥じたが、その言葉を聞いたクロウは少し考え小さく頷いた。


「しねぇよ、絶対」
「うん」
「…ブルーノもすんなよ」
「しないよ」









地味に後書き
本当は普通に京クロで書く予定でした。
ただ単にクロウさんにぺっ、をさせたかっただけです(最低)





人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -