寝る前の薬
僕の年齢に妥協して、彼は無知な子どもに手をつけたのだ。悪く言えばの話である。知らないのならば教えればいいことだと、地上に行く度連れまわす。知識を植えつけられる行為は、悪くはないと思っている。そのかわり彼は僕が知っていた行為について、交渉してきた。いわく、だって風俗は金がかかるだろ。
なんという奴であろうか。半身は見てみぬふり。僕たちのことについては一切のことを放置している。僕は君が何か言ってくれたのならば、すぐにだってこんなことは終わらせても良いと思っているのに。
加えて彼は矛盾している。ゲイセックスなのだから酷くしてくれても別に構いはしないのに(もちろん任務に支障がでるようだと困るのだが)、いつもこれでもかというほど丁寧で優しいその細々とした感じがどうも僕は気味が悪かった。
「よく、分からないです。」決まって僕はそうゆうようなことを言った。ロックオンはおかしな人ですねとも言った。ただそんな言葉で納得してくれる彼は優しいと思う。

愛してる、そんなことを最中に彼が言ったものだから僕は驚いた。不可解だと悶々としていると、集中しろと睨む青い目と、愛撫とキスがとんできた。よがっているようなふりをして、それでもやっぱり不思議だなあと僕の頭は考えている。

汗ばんだ体を、彼はゆっくり撫でる。僕はうとうとする。さっきのことを聞きたかったけれど、とても面倒くさいと思えた。それは良く知る情事後の空虚感に食べられてしまったからなのかもしれない。寝返りをうつのも億劫で、彼と顔を合わせ続ける。恥ずかしかったが、彼のしっとりとした髪の毛を見て気を紛らわした。首筋の毛先がぐちゃぐちゃと絡まっている。「どこ行くんだ、」「トイレ、ついてきちゃ駄目ですよ。」腹を震わせて声を出さずに彼は笑った。ような気がする。体を動かすのはだるいのだけれどボトルを手にして喉元に水を流しているとああ、と思う。それだけなのだが、それだけが
「ここで寝ていけよ。」自分の横の狭いスペースをとんとん彼は叩いた。
「どうしてですか?」「寂しいだろ?」彼は僕より若い年少のマイスターに向けるような笑顔だ。「俺が、」そしてそう続けたから、おかしい。おかしな人だ。僕には断る理由が見つからなくて、けれどもまたしても彼と密着せねばならない理由も見つからない。「僕は、あなたを寂しくさせないようにできますか、」「できるさ。おいで。」入り込んだベッドの中は生温く、僕はそこで彼を寂しくさせないようにしなければならなく、彼はうつらうつらと幸せそうな顔である。男のだらしなさは生涯直らないという。悪ではない、そうゆうものは僕の中にもあったりするもので。彼の頭を腕に抱く。〜してあげる、とか、そのような優越感をともに得られることを気まぐれにしてみる。

彼が子どもではないと確信しようと思い込もうとしている無知な子どもは、当たり前のようにスタートを0に始めてはいなかったし、知識は浴びせられるままにして流してしまっているわけでもない。僕は彼と温まって、それで、
もうすぐ眠りに落ちそうだ。
「ねえ、さっきロックオン、」









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