夢か現か幻か | ナノ
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なぎ倒された植物が時間とともに正立するようなそんな感じで、あたしは回復しつつある。数日前、とうとう松葉杖なしの自立歩行が認められた。

保険の範囲で最新の治療を惜しみなく投入されているのもあるけれど、それと若さを抜きにしても回復が速い。速い分にはありがたいのでそれでいいのだけど、自分に行われた実験の事を考えると手放しで喜んでもいられない。他の患者さんを見る限りでは、誤差の範囲で収まっていると思うので、多分きっと大丈夫だ信じてる。

病棟には情報が集まる。ナースさんの噂から漏れ聞こえてくる情報は、貴重な情報も混ざっている。やれ外科の中に臓器売買をしている先生がいる、やれ真選組に斬られた浪士が暴れて困る。そして最近何かと世間を賑わす辻斬りの話。今は休職中の身ゆえに大抵のケースでは介入したりしないけれど、話を聞いているといい暇つぶしだ。ちなみに臓器売買をやらかしていた医者はいつの間にか消えていた。多分誰かに成敗されたのだろう。藤色の髪の見慣れないナースとかに。

自主リハビリも終えてナースステーションそばの廊下で話に耳を澄ませていると、ひときわ抑えた小声が聞こえてくる。

「そういえば、脱走常習犯の伊坂さん、昨日からずっと変な事言ってるのよ」
「この前も脱走していたわね。で、何を言ってたの?」
「生き物みたいな刀を見たって」
「なにそれ」
「それで、刃が紅色に光ってて、桜みたいだったって」
「またまた〜あの人アル中だし、幻覚でも見たんじゃないの」
「多分そうだと思うけどね」

生き物のような刀、紅色に光る刀身、紅い桜。

全身の血が逆流したような気がした。和やかな談笑が続くのを尻目に、ナースステーションからそっと離れる。

例の試作兵器だ。試作兵器が本格的に江戸に持ち込まれた。以前、高杉について評した、土方さんの言葉が蘇る。

――まるで騒ぎを起こすこと自体を楽しんでるようだ。

そんな人間が、あんなものを持ち出したのなら、何が起きるか。想像する必要すら感じない。事は既に起きてしまっている。予防にまさる医療はない。早急に手を打つ必要があると結論づけた。

といっても、自分は只今療養につき休職中だ。最近は天人伝来の理学療法やらなんやらで、大分元の動きに近づいてきていたけれど、まだ万全じゃない。走るのがやっとの自分が動くのは得策じゃない。とはいえ、たかがアル中の証言で動いてくれるほど真選組も軽い組織じゃないし、衛生隊長でしかない自分には勝手に人員を動かす権限もない。近藤さんや土方さんに直訴える事も可能だけど、組織図や権限を無視した行動は不和を呼ぶ可能性もあるし、できれば最終手段にしたい。

どこの世界でも、いつの世の中も、捜査の基本は自分の足だ。まずは自分で確かめないと。

でもそのためには高いハードルを乗り越えなければならないのがなあ。

*

路地裏に身を潜めて一息ついた。上下ともに真っ黒の真選組の隊服はこんな時に真価を発揮すると思っている。暗闇に紛れる事ができるのだ。

これで問題はなんとかクリアできた。後が怖いけれど。師長とセンター長の怒り顔を思い浮かべて寒さとは違う震えを感じた。患者さんの脱走ってすごい問題になるんだよなあ……。ごめんなさい、でもこれも社会の平和のためなんです。

捜査にあたっての問題は、辻斬りは夜にしか現れない事。そして、自分が夜に外出する許可はまず下りない事だった。出会えないんじゃ情報を探る事だってできない。そこで、財布と簡素な仕事道具を詰めたウェストポーチに予備の刀を持って病棟からこっそり抜け出した。やり方は秘密だ。

人目を忍んで夜の街を歩き、辻斬りが多発するという地域に足を踏み入れると、明らかに雰囲気がおかしい。町全体が辻斬りを恐れているかのように静まり返っている。本来まだまだ人が行き交う時間なのに、この静けさは不気味だ。

夜遊びをしたい酔狂な人間の一人や二人は出てもおかしくないのに、それさえない。この度の辻斬りはそれほどまでに恐ろしいのか。いかんせん奉行所が管轄のせいか、真選組にもそこまで情報が入ってこない。病棟に居たアル中の伊坂さんは震え上がっててまともに話も聞けなかったし、どうしたものか。しかも、こんな時にヘアゴムは切れてどっかに行ってしまった。不吉だ。

ちょっとイライラするので、目についた煙草の自販機でマヨボロのボックスを一箱買った。ソフトは売り切れてたし、もっというと本当は細い葉巻が良かったんだけど、そんなものが自販機にあるはずもない。一本咥えてから、自分が脱走中の事実と、煙草の火は暗闇では標的になるという戦場での古い教訓を思い出した。……まあ、いいか。向こうから来るなら願ってもない。

満月を仰ぎ見て、細い水路にかかる橋に視線を下ろすと、紅色の軌跡が弧を描き、暗がりでも分かる紅い血が噴いたのを見た。だが、どうした事か、斬られた浪士は傷が浅い。何かが盾になったのだろう。あの分なら縫えばすぐに治るはずだ。

問題は下手人だ。下手人も明らかに浪士だ。だが斬られた浪士に比べて幾分か荒々しい。浪人と呼称した方がいいか。浪人の纏う空気には多分に覚えがある。何人も殺めた人斬りの空気だ。そして、一瞬見えた刀身は月明かりを紅色に跳ね返していた。

間違いない。以前和田が持ち出した、高杉一派が開発している試作兵器だ。あれは写しだったから、あの浪人の手にあるものが本科か。だとすれば、高杉の命令でこのような騒ぎを起こして……いや違うか。あの男は騒ぎを起こすと言っても、辻斬りなんぞというチンケな騒ぎじゃない。もっとスケールの大きい騒ぎを起こす。多数の幕臣を殺めるだとか、将軍を暗殺しようとするとか。たかが浪士を斬るなんてしょーもない騒ぎを奴が喜ぶようには思えない。

と、なると。今巷を騒がせているこの辻斬りは、この男の独断という事になる。高杉は黙認したか、気付いていないか。犬のリードが外れかかっている事に気づかないボンクラだったらとうの昔にさらし首になっているだろうから、前者だろう。

「おや、お嬢ちゃん。こんな夜更けに、危ないよ」

脚を踏み出す。まだ脚の傷が完全には癒えていない上に、おそらく相手は和田とは比べ物にならないくらいに強い。勝てる見込みはないに等しい。逃げる事も許されるかどうか。だが、ここで怪我人を見捨てて逃げるのは、医者じゃない。敵に背を向けて撤退するのは、真選組じゃない。

「御用だ、そこの浪人。殺人罪ならびに銃刀法違反の現行犯だ。神妙にお縄につけ」
「誰かと思えば、幕府の雌犬じゃないか。桂には数段劣るが、相棒にはいい経験になるかねェ」

降伏の意思なし。攻撃に移る。

斬りかかると紅色の刃に受け止められた。力負けする寸前に飛び退いて欄干に飛び乗り、欄干を真っ二つに割る一撃をステップで躱す。和田の時よりも疾い。一太刀浴びせるのなんて夢レベルだなこれ。

でも逃げるにしても、相応の理由がないと切腹だ。また病院送りにならない程度に全力は尽くそう。切っ先がひゅんと飛んでくるのを間一髪で避けて、舌打ちした。

「それが和田の持ち出した試作兵器の完成型か」
「なるほど、アンタが和田を殺ったのかィ。そりゃあ楽しみだ」
「勝てたのはオタクのところのボンクラのおかげだ」
「なるほど、遣い手の悪さに救われたのかな」
「そういうわけで、ご期待には沿えないと思いますけど、ねっ!」

飛び降りるついでに斬りつけ、はずみで奴の笠が飛んだ。素顔は手配書で見た顔だった。特徴的な髪型。濃いサングラスは視線を隠すためだろう。盲目の剣客。凶悪犯だ。

「――岡田、似蔵。人斬り似蔵」

これはまずい相手が宿主になったな。和田某とは比較にならないほど強い。あの時は遣い手がヘボだったから自爆で破壊できたけど、今度はやばそうだ。

攘夷組織の高杉が人斬りに噛んでいる事を掴めれば、そこからは真選組の管轄になる。この情報だけで十分だ。……もっとも、真選組総出でかかっても、この男をやれるかは怪しい。沖田さんなら互角に戦えるかもしれないけど。こんな時に頼れる人間といえば……。

剣戟を交わす最中によそ事を考えていたツケか、腹から真っ二つにせんとする一閃が過る。すんでのところで避けたが、代償として一張羅の隊服が真一文字に破れた。確信する。こりゃあたしじゃ勝てないわ。

「脚をやっているのかィ。動きが鈍いな」
「物事はハンデがないと面白くないだろう」

ちら、と見たところ、倒れている長髪――おそらく攘夷党の桂――も止血をしなければ危ないだろう。消費税しか払ってなさそうだけど市民の命が最優先だ。それに桂が死んだと思わせるのには多分成功してる。一旦撤収しよう。

川に突っ込むつもりで飛び降りたが、それよりも似蔵の剣のほうが速かった。一撃を受けようとした予備の刀を折って胸部に迫る紅い刃。刀なし、そこの桂みたいに盾になるなにかもない。ライフで受けるしかない。

川底に頭を打って痛いのか。それとも斬られた胸が痛いのか。とにかく追撃が来ない事を願いながら、息を潜める。

「試作品でも紅桜を折った女なら、と期待したんだがねィ。ちと期待違いだったか」

濡れた毛束を掴まれて、ばつり、と髪を切られた。もはやこれまでかと覚悟を決めたが、似蔵は興味を失ったようだ。人の髪の毛を持って上機嫌に去っていった。死亡確認を怠ったのは己の実力に慢心しているせいか。その慢心野郎に歯が立たないんだから情けない。

気配が完全に消えたのを確認して、川から上がる。未だに死んだふりをしている髪が短くなった桂のそばにかがむ。

「生きてるか。止血する。少し脱がせるが文句は止してくれ」

返答も効かず手袋をはめた手で着流しを脱がせて上半身を顕にし、さっさとスプレータイプの止血剤を吹きかける。その上から包帯を巻いて、固定。戦場での治療なんてこんなものだ。あとは闇医者にやってもらうなり寝て快癒を待つなり、ご自分でお好きにどうぞ。

それにしても運のいい男だ。持っていた教本が盾となり、あの一撃から生き残るとは。自分は死者が及ぼす力を信じない。世界を動かすのは、常に生きている人間だからだ。だから、この男を護ったものは、師などではなく、師の志を大切に守るこの男の意思そのものなのだ。あたしはそう思っている。

感傷を振り払って医者として助言を与える。

「早く直したいのなら、2丁目の角にいる医者のところへ行って、縫ってもらうといい。口の悪いボッタクリ医者だが、腕だけはいいし口も堅い。夜に叩き起こされて確実に機嫌は悪いだろうけど、『桜ノ宮すみれに紹介された』とでも言えば診てくれるはずだ。特別に金も払ってやる」
「なぜ」
「怪我人を助けるのが医者の仕事だ。市民を護るのがこっちの仕事だ。それに、桂ってのはうざい長髪の男だろう?そんなへんてこな髪型の男、手配書じゃ見た事がない」
「……俺も、お前のようなざっくりヘアの小娘など知らんな。おそらく真選組の仮装をした娘だろう。動ける内に病院へ帰るがいい」

立ち上がった桂と入れ替わりに、ずるずると欄干にもたれかかる。視界が狭い。雑に服を捲くりあげて、傷口の周辺を拭き取り、止血剤を吹く。傷は浅い。ちゃんと縫ってもらえば、すぐに完治するだろう。ただ、血を失い、まだ冷たい川の水に体温を奪われ、ひどく寒い。

傷が浅かった理由はなんだと考え、薄れる意識で懐に手を入れる。

「おい、貴様――!」
「お前には一度死んでもらう。その方が相手も油断するはずだ。あと、これはコスプレ娘の戯言だと思ってきいてほしいのだが――あの兵器を潰してくれ」
「あの刀は何だ」
「高杉の新型兵器だ。持ち主に寄生して戦闘の経験をデータ化して集積し、それを元に宿主の体を操る寄生兵器とでも呼ぶべき代物。あれを放置すれば、江戸に多大な被害が出る。貴方はそのような形での変革を望まないはずだ」

近頃の桂は、理想に燃えるがゆえに暴走する志士達を宥める、穏健派として名が上がるようになっていた。この男の変節が一体なぜなのかはわからない。けれど、今は誰だっていいからあれを止めて欲しい状況だ。頼れるのならストローにでもすがる。真選組があるためには、江戸が必要だ。

「貴様の犠牲は無駄にはせん……!」
「まだ死んでないわ。あと次会ったら、今度こそ捕まえる」
「望むところだ。捕まえられるものなら捕まえてみるがいい」

犠牲になったのは、父親の遺品のライターとさっき買ったばっかの煙草だっつ―の。

桂は笠を目深にかぶると、走り去っていった。

*

真選組のパトカーで病院に帰り着くなり、鬼の形相をした師長とセンター長にこっぴどく叱られたのは言うまでもない。センター長のカミナリもやばかった。けれど、もっと怖いのは鬼の副長のカミナリだ。

「オイ、脱走の上に傷増やして帰ってくるってどういう了見だテメー」
「すみません」
「百歩譲って脱走だけならまだしも、斬られて帰ってくるってなんだ。切腹するか?」
「すみません」
「しかも『無いと眠れない』っつーから貸してやった刀折りやがったな?」
「すみません」

土方さんのこめかみがピクピクと震えている。やべー、土方さん、超ご立腹だよ。これマジで切腹申し付けられても文句言えないな。沖田さんや土方さんに介錯してもらうのなら、多分すっぱり殺ってくれるだろうけど。

「誰にやられた」
「岡田似蔵です。最近その辺で辻斬りやってるのは奴です。それと、奴、例の紅い刀を持っていました。名称は紅桜。やはり高杉の新型兵器です」
「人斬り似蔵……厄介なのに渡ったな。素人の和田でさえ、お前の手にゃ負えねェってのに。あの刀を持った奴が相手なら、総悟がやりあえるかギリギリのラインってとこか」

鋭い目が「このへっぽこめ」と言ってる気がした。隊長と名前がつく役職の中で一番弱いのが自分である事は間違いないので、何も否定できない。けれど悔しい。自分がもう少し強ければ。

「あと桂が殺られました」
「それは確かか」
「切られた弾みで川に落とされて、そのまま上がってこなかったので、多分死んだかと」
「……川をさらうしかねェか」

血痕は自分の血と川の水で洗った。多分物証は隠滅できた。万が一証拠隠滅の罪を問われたとしても、自分はただあそこに座っただけだから、って言い訳できるハズ。警官としての資質を問われたら、まあ、暗がりで分かんなかったって事で。貧血とビタミン不足が悪いね。

あとは自分の言動だけだ。布団の中に手を隠して、ピアスをいじらないように、そしてさも当然の事を言うようにしれっと言って。でもまあ、そんな事で土方さんを欺けるはずもなく。土方さんにはとても白い目を向けられてしまった。これ嘘だとバレてるわ。言い訳考えよう。

「桂が死んだと知れば、桂の配下の浪士共は確実に動きます。岡田は高杉の手駒ですから、仇討ちとして高杉と潰し合うかも。万が一ぶつからなかったにせよ、桂一派と高杉一派の間には深い溝が生まれ、方向性の違いも作用していずれは激突します」
「確かに。頭目を潰された以上、桂一派も黙ってられるとは思えん。だが、桂のやつが生きていた場合は?」

試すような視線に背筋を伸ばした。ずきりと痛む傷口を押さえる。

「よしんば生きていたとしても、高杉のところの小物に殺られかけたとあらば確実に奴の求心力は低下します。そして、元々主義主張が異なる上に御旗となる人物を傷つけられたとあっては、連中と高杉一派の和解や協力は難しい。連携の取れない複数の組織はいずれ互いの中に敵を見出し、殺し合いを始めます。桂の生死がどちらであっても攘夷勢力の弱体化は免れません。我々は殺し合い疲弊した連中を一網打尽にすれば良い……という理屈を考えてみましたが、どうでしょう?」
「……最後の一言は余計だバカ。だが、漁夫の利を狙うってのは悪くねェ。お前の行動は下手すりゃ背信もんだが、今回は見逃してやるよ」
「寛大な処置に感謝します」

危なかった。下手したら切腹になるところだった。鬼の副長なら自分であっても斬り捨てる。だからこその鬼、だからこその鉄の結束を誇る真選組だ。

「今回は俺達にも少なからず利があるから見逃したのも許してやるが、次はこうはいかないからな」
「はい」
「ったく、自分から厄介事に首突っ込みやがって……」
「ご迷惑おかけしました……すみません」
「本当にな」

布団の中でもじりと手を動かす。面会時間前に看護師さんから聞いた。この人が、真っ先に手術室に駆けつけたのだと。あんな遅い時間だったのに、血相を変えて。……自分の思い過ごしなどでなければ、この人を心配させてしまったのだ。ちゃんと、謝らないと。

「その、ご心配、おかけしました。ごめんなさい」
「……俺がお前の歳の頃は随分やんちゃしたもんだが、これっきりにしてくれよ」
「善処は、します。保証は、できません」
「まあ正直にできるか分からんって言ってくれる分マシかねェ」

土方さんは、短くなってしまったあたしの髪の毛を節くれだった指に乗せて、「もったいねェな」と嘆いた。確かに、胸の下にまでのびていた髪の毛がバッサリと切られてしまったのは少し悔しい。でもまあ。

「生きてる限り髪の毛は伸びますよ。むしろ頭が軽くなってスッキリしました」
「俺も髪切ったら頭軽くなったわ。意外と重いんだよな」
「そんなに伸ばしていたんですか?」
「流石にお前ほどじゃない。ちょっとな。昔は近藤さんも髷を結っていたんだぜ」
「えー!そうなんですか。そっちの方も見たかったな。でも私と会った時には既に」
「お前が来る何ヶ月か前に切ったんだ。どいつもこいつも隊服には合わなくてな」
「確かに。その服装なら、今の方が似合いそうですね。……他の人はどんな感じだったんです?」
「あー、総悟は今とあんま変わんねえな。原田も終も変わってねェ。永倉もそうだ。――あ」

土方さんは宙を見たまま静止した。なにか重大な事に気がついたような感じだ。

「どうしたんですか?」
「山崎が緑色のモヒカンだった」
「…………山崎さんってあの山崎さんですか。真選組監察で、あんぱんと牛乳で張り込みする」
「それ以外の山崎がいるかよ」
「その山崎さんがモヒカン?しかも緑?」
「そうだよ。しかもマウンテン殺鬼ザキって名乗ってた」
「嘘ォ!?」

ええー。あの山崎さんがかつては緑のモヒカンで、マウンテン殺鬼って名乗っていたなんて。土方さんが伸ばしてたのだとか色々衝撃的だけど、それをかる〜く超えていくなあの人。北斗の拳のモヒカンから今の山崎さんの間に、何があったというのだろう。

「何があって今の状態に?」
「まあ、色々とな……」

なんか大変そうだな。触れちゃいけないところな気がしたので、質問は打ち切りとした。
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