夢か現か幻か | ナノ
With gratitude
文字サイズ 特大 行間 極広
(大遅刻副長ハピバ)
あたしは頭を抱えていた。

まさか恩人の誕生日を失念していたなんて。

まさか、祝われる当人ではなく何も知らずに頼まれ呼び出しにいったあたしの方が、サプライズにびっくりするなんて。

どっちが祝われる側だか分かりゃしねェとせせら笑いを浮かべたあの時の沖田さんを怒れなかった。

泣きそうな自分を「ガキじゃあるまいし誕生日なんざ」とか「見ろよ連中は祝ってるんじゃなくて飲んでんだ。俺の誕生日は宴会の口実なんだよ」とか呆れながらも色々励ましてくれた(だよね?)土方さんのためになにかできること、あげられるものがあるのならと、宴会中も終わって主役ともども片付けをする間もずっと考えていたけれど、ついぞ浮かばなかった。

なんせ勉学やりつつ竹刀ぶん回しているとバイトを差し込む時間も体力もない。つまりお金はまったくないのだ。ただでさえお金が有り余ってるお兄さんなのにいったいどうしろと。

困った時の神頼み、ならぬ、困った時の沖田さん頼みだ。土方さんいわく頭はカラでも、頭の回転は決して遅くない彼なら、なんか思いつくこともあるかもしれない。あと男性視点の話を聞きたい。翌日の稽古終わりにサボりに向かう沖田さんをとっ捕まえて、夕暮れ時の茶屋で団子をおごって話を聞いてもらう。

「ということで沖田さん、なにか素敵なアイディアありませんか」

すごく嫌そうな顔。相手を間違えたなって即座に思った。よりにもよって宿敵というかなんというかなサムシングである土方さんの誕プレについての考えを募られるなんて、沖田さんとしては非常に面白くないに違いない。ミスったな、いつもの嫌がらせのノリでやってしまった。

「沖田さんの誕生日は忘れませんから」
「7月8日。覚えとけよ」
「七夕の翌日ですね。覚えておきます」
「なんでも構いやせんが、野郎とお揃いだけは止めてくだせェ」
「近藤さんと三人おそろいならどうです?」
「土方ぬきで頼みまさァ」

そんなさび抜きみたいな。とツッコミを入れる間もなく沖田さんは爆弾発言をした。

「あのヤローのことだから、すみれさんが素っ裸になって体にリボンでも巻いてたら喜んで食いつきますぜ。なんせムッツリですからねィ」

この瞬間、団子代は決して安くない学習料だったな、と諦めた。考えうる限り最悪の人選だったみたい。なんでこの人に相談したんだろあたし。よく考えなくても山崎さんとかいたじゃん。近藤さんは隠し事下手なので却下。あー、でも山崎さんも口軽いかぁー。……妙だな、選択肢がない。

「そりゃ無理ですね。あの人私の素っ裸に全く反応してなかったので」
「は?」
「いや、出会ったその日にですね」
「いや、なんで?」
「鬼のいぬ間にお風呂に入って潜水してたら、引っ張り上げられた挙げ句一緒に入ろうとしたんですあの人。それで色々からかわれてムキになって浴槽から飛び出しました。裸で」
「……馬鹿だろ、アンタ」

自分でも何考えてたんだろうと思う。なんで貞操が無事だったのか今でもわからない。軽率な行動は控えよう。

「土方さんって男色家だったりします?」
「なわけねーのはすみれさんも知ってるだろィ」
「デスヨネー」

沖田さんは渋いものを食べたような顔で団子を頬張っている。顔つきのせいか、リスみたいだ。中身はとてもじゃないけど小動物には例えられないナマモノだけども。中身がかなりアレでも顔だけでプラスに持っていけるんだからオトクな話だよホント。

「じゃあ媚薬を盛ってめくるめく快楽の世界にご招待で」
「処女に何求めてるんだよ」
「じゃあ野郎のチンコを尺八」
「だからね」
「じゃあ野郎をふん縛って……」
「ベクトル変えてもダメだから。快楽以外から出発してくんない?」

注文が多いですねィと文句を言いながら団子のおかわりを注文する沖田さん。注文が多いのはあなただよ。人のおごりだからって調子乗っちゃって。というかこのくだらないやり取り、時間稼ぎのためなんじゃないの?金の余裕は精神の余裕でもあるのか、内心カリカリしてしまう。こちらは茶も飲んでいないというのもあるかもしれない。

「なんか手作りのモンあげりゃいいじゃないですかィ。アンタ手先器用だろ」
「結論はそうなるかー。問題は何作るか、かぁ」
「何作っても受け取るだろィ。大事なのは気持ちでィ」
「できれば使ってほしいって乙女心を読み取ってほしいです」
「言葉にせずとも伝わるものがあるなんざ所詮幻想ですぜィ」
「でも刃を合わせれば伝わるものもあるのでしょう?」
「さてねィ」

話が逸れた。串を一本差し出されて受け取る。以前デスソースがふんだんにかけられたピザを食べた経験から、匂いと色を確認するけれど、デスソースも安息香酸デナトニウムもピカールも雑巾の絞り汁も、いずれの影も形もない。大丈夫そうだ。ふつうに美味しい団子で助かった。お茶を差し出されて、こちらも色と匂いを確かめてから飲む。日陰はまだ寒い時期に、温かいお茶は美味しい。

「ありがとうございます」
「俺の金じゃありやせんがね」
「それでも、貰ったので。……使うものでできれば命に関わらないもの、かなあ」
「命?」
「あの人律儀だから」

多分あの性格ならよっぽど珍妙な物体じゃなければ使う。それで命とかに関わってしまったら。良い方向ならまだしも、それが悪い方に向かってしまったら。あたしは明日を生きていける気がしない。

「足回りは却下、刀周りと腕周りもダメ、湯呑……?」
「自分の分の団子代も出せない女にゃ無理ですねィ。野郎、いい湯呑使ってますぜィ」
「悲しいです」
「今、一個思いつきやした」
「なんです?」
「あ、すいやせんお姉さん、団子一皿追加で」

こっそり財布の中身を確かめる。まだ、大丈夫。幸い岩尾先生のところで下宿暮らしだから光熱費はかかってないし、食費も同様。洋服は買わないし、おやつは我慢すれば問題ない。問題は貧すれば鈍するという言葉の通り財布と共に心も冷たくなることであって。なんだかんだ恵まれていたおかげで今まで体験したことがなかった、金銭面の不安というものの恐ろしさを今身をもって体験している。父さん、今後のことも考えてくださってありがとうございました。遺言が執行されていれば、残りの財産は全て赤十字に行ったはずなので安心してくださいね。

空を見上げると血の色めいた赤色の夕焼けが広がっている。さっき父さんのことを思い出したのもあって、嫌な組み合わせだ。

「明日は雨ですかねィこりゃ」
「そうですね。ところで思いついたのってなんです?」
「命にゃ関わって無くて、よく使うものと言えばこれでィ」
「スカーフですか?」
「新品のこれになんか縫い取りでもやってやれば、喜んで使うんじゃないですかィ」
「それいいですね。ありがとうございます。重ね重ね申し訳ないのですが、新品のスカーフの調達はお願いできますか?」
「今度なんか奢ってくだせェ。それで手打ちとしやしょう」

適当に言っているように見えて、案外的を得ている、と思う。というか、すごく嫌そうな顔していた割には真剣に考えてくれたことに少し感動している。しかも調達も手伝ってくれるときた。近藤さんに頼むと感づかれる危険が否定できないから、その点沖田さんなら安心だ。

頭の中で図柄を考えて、やっぱりあの人にはマヨネーズは欠かせないよねと一人で笑う。ふと隣を見ると、読めない目でこちらを見る沖田さん。

「なにか?」
「いや、普段から今みたいに笑えりゃいいんですがねィ」
「……?」
「こっちの話でィ」

沖田さんには一体何が見えているのか、体を入れ替えた時に思考を覗いてしまってからも理解できない。

「ありがとうございます。沖田さん」
「団子食わせてもらいましたからねィ」

沖田さんは伝票を持って立ち上がる。あれ、なんかおかしいぞ。伝票どこ?なんで沖田さんが伝票持ってんの?

「あ、払いますって」
「誰が全額払うって言ったんでィ。割り勘でさァ」
「ああはい」

全額こちら持ちのつもりだったので、割り勘でもとてもありがたい。例えあたしが飲み食いしたのが串一本の団子と湯呑一杯の茶だったとしても。

お会計を終えてふらりと外に出る。まだ朝夕は冷えるなあ。とりあえず図案考えるためのトレーシングペーパーとチャコペーパーにペンシルその他を買わないと。結構ガッツリお金が飛ぶなあ。

「手芸屋に寄るんですかィ」

そんな事を言いながら、沖田さんは隣を歩いている。やっぱり、入れ替わったのが戻ってからずっと、沖田さん妙に優しくて調子が狂うなあ。前みたいにカレーにピカール混ぜたりとか、そんなキレが足りない。あたしとしては争わない方向だと嬉しいのは間違いないけれど。けれど、こんな自分に優しくされると、酷く不安になる時がある。気を紛らわせるために会話をしようと思った。

「お仕事は大丈夫ですか?」
「市民を守るのもおまわりさんの仕事でィ」
「ありがとうございます」

沖田さんは微妙な顔をした。一体何がいけなかったんだろう。

*

沖田さんと買い物して、診療所の前で別れて。それから数日した夜。あたしは縫い取りをしたスカーフ片手に、真選組屯所の副長室の前に立っていた。この時間ならいることは調査済みだ。障子に手をかけたところで、沖田さんの中身が入っていた名残か、自分の感覚によらない直感が働いて、そーっと周囲を見渡す。するといるわいるわ隊士達が。振り返った瞬間全員茂みや縁側の下に隠れたけれど、見えたぞ。誰の仕業かは一人しか心当たりがない。沖田さんだ。というか、この人達、みんな暇なんだろうか。この分だと天井裏とか床下にも一人くらいいそうだなあ。

「……」

一体何やってるんだかとため息一つ。

野次馬がいるのは心底嫌だけれど、意を決して障子の前に正座した。

「失礼いたします。桜ノ宮です」
「……入れ」

するすると入る。洋室に慣れた身の上としては和室はちょっとむずかしいけれど、回数をこなせば何のその、毛筆での書類書きよりもずっと楽で桜ノ宮ありがたいです。

土方さんは文机の前であぐらをかき、仏頂面で書類を書いていた。自他ともに認める金釘流の使い手としては綺麗な字で羨ましい。背筋を伸ばしてさらさらと書いていく、いつも通りの土方さんのはずだけれど、なにか違和感。欠けているものがあるような。それを思い出す前に、鋭く咎めるような声が耳に届いた。

「夜遅くに来るなっつったろ」
「今日この時間帯しかいらっしゃらないと伺いましたので」
「明日じゃ問題があったのか」
「報告書の提出は、期限遅れであっても一日でも早いほうがよいでしょう?」
「そうだね。それ総悟にも言ってやってくれよ。アイツ最近お前相手ならおとなしくなったしよ」
「原因が本当にわからないのですけどね」

誰が聞き耳立ててるかわからないので殊更言葉に気を使いながら喋る。土方さんは不気味なものを見るような視線を注いでいる。ひどい。

「本題はなんだよ」
「あ、あの、お誕生日おめでとう、ございました」
「お前、まだ気にしてたのか」
「気にします!年に一度しかないのに、知らなかったとはいえ何も用意してなかったので。期限が過ぎちゃってますけれど、お収めください」

すっと薄い箱を差し出すと、受け取りを渋られる。ラッピングは上手く行ってるので、見た目で敬遠されたのではないって信じたい。

「いや、気にしてないから。お前が金ねェことも知ってっから」
「でも私の気が済まないんです!」
「いや、こんなもんに使う金があったら服とかに使えよ。年頃の娘が服買わねえってジーさん嘆いてたぞ」
「服よりも土方さんのお誕生日の方が大事です!」

生気をも絞り出してそうなため息。困らせてしまっている。……来年出直そうか。そう考え始めた頃、箱が土方さんの手に渡った。

「……そこまで言うなら受け取る。ありがとよ」

安心して肩から力が抜けた。開けてもいいかと聞く声に頷くと丁寧に包装が解かれる。別に破られたっていいんだけどね。

「これは、隊服のスカーフか?」
「はい」
「この縫い取りはお前がやったのか」
「はい、図案から転写に刺繍まで私です!」

土方さんの指が、スカーフの下端に縫い取りされた、赤いキャップのマヨネーズとマヨネーズ色の糸で書かれたT.Hijikataの文字をなぞる。その目はどことなく柔らかい。

ファーストネームの方はなんか照れくさくてイニシャルにしたのはご愛嬌ご愛嬌。十四郎ってローマ字にすると地味に長いからね。

「できる限りお邪魔じゃない位置にしてみたんですけれど、どうでしょうか」
「ああ……」

ぽろりと漏れたらしい、「上手いもんだな」という感想だけで諸経費を軽く超える喜びだ。なにせ刺繍用のミシンと同じくらい、いやそれ以上に丁寧に縫った自信あるし。でも普段遣いなこと考えたらもう少しよれても良かったかな。綺麗すぎて使いにくく思われるのは本意じゃない。

「巻いてもいいか」
「もちろんです!」

土方さんが一旦ベストの前を開けて気付いた。そういえば今日スカーフないや。これがさっきの違和感の原因だったんだ。

「あれ、普段使ってるスカーフはどうしたんですか?」
「あれか。今朝、総悟にピカールぶっ掛けられたから上一式と一緒にクリーニングに出した」
「それは災難でしたね……」

隊服の袖と襟とショルダーストラップのボタンを磨くために使うピカールをぶっ掛けられてしまったらしい。彼、今日渡すこと知っててやったな。それにしてもピカール大活躍だなあ。マヨに混入させたりしてないと良いのだけども。

「桜ノ宮」
「はい?」
「巻いてくれ」

主語がなかったので一瞬なんのことかと素で考えて、首にかけられた状態でストップしているスカーフを見て、やっとこスカーフを巻いてほしいのだと理解できた。理解できたけど一体全体どういうことなんだろう。

「わかり、ました」

立ち上がった土方さんの前でそっとスカーフに触れる。幸いそんな難しい結び方をするわけじゃない。ネクタイのほうがずっとむつかしい。スカーフを首に巻くこと自体はあっさりできた。問題はスカーフの端をベストに入れた後だ。どこの世界でも、こういう制服というのは面倒なもので、ベレー帽の波打たせ方だとか、プレスの仕方だとか、結構やかましいのだ。それは真選組の制服も例外ではなく、幹部陣はスカーフのタックの付け方にも多少の規則がある。そのややこしさが敵味方の識別だとか、軍規の維持に一役買っているのは間違いない。

そんなことを考えながら作業していたのが良くなかった。不意に顔をあげると、パーソナルスペースを大幅に割った場所に土方さんの顔があって、思わず固まってしまう。煙草の匂いに包まれていることを急速に意識してしまって気が動転する。たまらず離れようとして、大きな手に捕まった。

「どうした。手が止まっているぞ」
「は、はい」

なんとか見よう見まねでスカーフを巻き終える。けれど流石に慣れていないことはできない。原田隊長さんとか沖田さんとか普段の土方さんがやったのに比べてちょっとくたびれた感じだ。

「こんなもんだろ」

土方さんはそう言ってくれたけど、やっぱり納得はできない。完璧じゃないと、とまでは言わないけれど、土方さんなのだから、やっぱりもう少し、せめてもう少しだけ綺麗に仕上げたい。

「もう一回やります」
「好きにしな」

お言葉に甘えてスカーフを巻き直す。視線を感じて顔をあげる。やっぱり近い。というか、じっと見られてる。隊士の皆さんバリバリ盗み聞きしてるのに。障子はしっかり閉めたから盗み見の可能性は低いのが幸いかなあ。

「できました」

今度は上手くいった自信がある。小さくガッツポーズをしていると、そこで土方さんが笑った。一体どこに笑う要素があったのかわからないけれど、嬉しそうなのは良かった。

「上出来だ」

心なしか満足げに言ってくれたことが嬉しい。達成感に浸っていると、肩を軽く押されて体が畳に倒れこんだ。土方さんが支えてくれたから痛みはないけれど一体なんだろう。呑気に構えていると土方さんの大きな体が覆いかぶさってきた。

「なんです土方さん」
「礼だよ、礼」
「お礼に押し倒すってなんですか。年中発情期ですか」
「男は精通から墓場までずっと発情期だよ」
「なにそれ気持ち悪っ」
「夜中に来るなっつったのはこういう事があるかもしれねェからだ。ちゃんと理解してくれ」

――いや、だからってマジで押し倒さないでください。

そう言いたいけれど残念な事にひと睨みされたカエルは食される運命なのでした。この人目力凄くて逆らう気が起きない。肩幅もずっと大きくて、背も高い。覆いかぶさっただけで簡単に払いのけられそうなのに、そもそもそんな気が起きなかった。

「真選組副長として、野郎はケダモノでしかねェって教えてやる。期限超過のプレゼントへの返礼だ。受け取れ」

心臓は血液を盛んに循環させているのに、あたしは指一本まともに動かない。彼はにっと笑い、硬い指先であたしの頬を撫でた。ぞくりと怖気じゃない痺れが走って、猫のような甘えた声が出てしまう。それに気を良くしたのか、笑みを深めて耳を撫でる。確かめるようにピアスに触れられた。

昔のあれそれを知られているせいか、記憶のあれそれからは微妙に外した姿勢なのがニクい。そうこうしているうちに顔と顔が近づいて、煙草の匂いがきつくなった。土方さんの代名詞に包まれていると考えると頭がぐわんぐわんする。

もう少しで唇が触れるというところで、土方さんは素早く身を起こしバズーカを取り出して、障子めがけて発射した。

障子を簡単に突き破って茂みに命中し炸裂する弾。火薬と土の匂いが部屋を満たす。それに呆然としている間に、抜刀して天井と床下に向けてそれぞれ一突き。ぎゃあああという哀れっぽい悲鳴が上下から聞こえた。部屋を出て縁側の下にいる隊士を足蹴にしつつ、土方さんはがなった。

「てめーら、士道不覚悟で全員切腹だァァァ!!!」

あー、うん。つまりさっきのは、なんかロマンスっぽい空気を出して隊士を惹きつけ注意を散漫にし不意を打って一網打尽にしようって話の一環だったんですね?

答えがわかって脱力して、そしてはじめて、全身に力が入っていたことを知る。顔が熱い。ゆっくりと身体を起こすと開け放たれた入り口から入ってくる夜風が気持ちよかった。

「さっきの警告は本気だからな」

振り返ってそんなことを言う。さらに顔が赤くなった。恥ずかしくて前を向けない。

野郎はケダモノ。しっかり覚えましたとも。
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