移り気なミーハーでごめんなさい。

「わかんない。わかんないよ。」

机に突っ伏して悶々と悩む姿はまさに変な人。花の女子高生たるもの、もっと華やかでなくてどうする。そんな花の女子高生にも、悩みの一つや二つはある。

「お前が恋愛で悩んでいる確率128.3%、そうだろう?」
「や、柳くん!」
「俺でよければ相談にのろう。」
「え、本当?乗って乗って!」

突如現れた柳くんは、成績優秀、スポーツ完璧、おまけに穏やかなイケメンときた。こりゃもうミーハーの騒ぐ域だろう。そんな恋愛に詳しそうな彼が相談に乗ってくれるというのだ。逃す手はない!

「何をそんなに悩んでいる?」
「うん。私ね、夏休み前まですっごく好きな人がいたの。」
「ほう……それは仁王のことだな。」
「え?!何でわかるの!?ってそうじゃなくて。」
「あぁ、続けてくれて構わない。」
「んもー。でね、夏休み中、全然連絡を取らなかったの。そしたらなんかさ、熱が覚めちゃったっていうか。恋なのかなって思っちゃって。」

親身になって聞いてくれる柳くんについつい本音を話してしまう。この人のこういう才能がきっと、データ収集にも役立っているのだろう。羨ましい才能だ。

「それで、別に好きな人ができたというわけか。」
「いやいやいやいや!そんな急じゃなくて。まあ結果的にはそうなんだけど…」
「ほう。」
「でもね、その人のこともまだ恋なのかどうかもわからない。ただの憧れかもしれない。ミーハーな女の子と同じように、ただ騒いでいたいだけなのかもしれない。」
「まあ、丸井もモテるだろうしな。」
「だからなんでわかるのよ。」
「俺はデータマンだからな。」

理由になっているような、なっていないような曖昧な返答に、若干の不満を感じつつも再び机に突っ伏する。重い頭が日差しを浴びてポカポカしている。というか、ふわふわしてきた。やばい。睡眠タイムに入っている。

「ごめ………寝る………おやしゅみ…」
「日差しに負けた確率100%」

眠りについた頭は私に夢を見せてくれる。あれ、柳くんが出て来た。初めて見たかも………って、そんなのはどーでもいいか………そういえば、先生が言ってたっけ。夢に出てきた人に想われてるって……。てことは、え?ん?

「えええええ?!柳くんって私のこと好きなの?!」

ガバッと飛び起きた私にさすがの柳くんも驚きを隠しきれず、おまけに爆弾発言を落としたのだからしょうがないと言えばしょうがない。しかし、これは図星ということでよいのだろうか。

「まあ、そういうことにはなるが。」
「え、マジですか。」
「無理に気持ちに答えようとしてくれなくていい。俺は俺なりに頑張るつもりだからな。」
「うん。なんかここまで正直に話したあとで何なんだけど、柳くんなら好きになれそうな気がする。」
「……」
「そういうのは、ダメ?」

首を傾げ、最大限の女子力をアピールする。それをしってか知らずか、柔らかく微笑む柳くんはまさに天使の部類に入るだろう。ていうか天使でいいと思う。

「いや、ダメではないぞ。お前がそれでいいと言うならばな。」
「うん、いいよ。柳くんはいい人だし、好きになる!」
「俺もお前を落とせるように努力しよう。」
「うん!」

今日も青く広く晴れた空が、なぜだかいつもよりも大きく見えた。そんな秋晴れの一日。

移り気なミーハーでごめんなさい。
(好きになったら)(勿論一途だよ)
---END---
杏里紗様へ

相互記念小説、大変遅くなって申し訳ないです!
なかなか寝たの神様がおりてきて下さらなくて…
見苦しい言い訳はやめますね、ハイ。
単に時間がなかったというのが原因だったりもします。
実際このオチは柳くんですが、想い人はブン太です。
ちなみに、高校に入ってからの好意の道筋はこんな感じ。
幸村→赤也→仁王→ブン太→柳
ちゃんと柳くん好きになりますたぶん!

こんな作品でよければお持ち帰りOKです。
煮るなり焼くなりどうぞお好きに!

創瑠唯
Fin.13.09.20.Fri.
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