初めての歩行
たぶんリョーマさんは元々運動能力に優れていたんだと思う。幼児の歩行は遅すぎても早すぎてもダメだというけれど、リョーマさんは早すぎても大丈夫そうだった。はいはいの時期は人よりも早く始まって、その分歩行も早かった。これはリョーマさんが7ヶ月の時のお話。
「あとちょっとなんだよなぁ。」
「どうなさったんですか、おじさま。」
「ん?あー、菜々子ちゃん。いや、実はな、リョーマがもう少しで歩けそうなんだが、その少しがどうにも………」
「リョーマさんが、ですか?」
「あぁ。掴まり立ちしてるのを見つけてから練習させてるんだが…」
それはそれは。もうすぐだと思いますけど………。そんなに急かして怪我でもしたら困りますよ?なんて、おじさまは考えてないのでしょうけど。でも、7ヶ月ではいはい卒業は早いですね。リョーマさん、頑張って!……………あ、噂をすればリョーマさん。
「リョーマさんっ!」
「うーぁ?」
「……………」
うぁぁぁあああ!可愛すぎます!破壊力ありすぎますリョーマさん!私を殺さないで下さい!………ん?………あらら?…………リョーマさんもしかしなくても、
「普通に歩いてます!!?」
「きゃっきゃ!うー!」
そ、そんなに笑わないでください!私軽く凹みますよ?!あぁぁぁ、でもリョーマさん歩いてるどうしよう←と、とにかくとにかく!
「おじさま!おばさま!」
「んあー?なんだー?」
「あ、おじさま!リョーマさんがっ!リョーマさんがある、あるある歩いて!」
「お、落ち着け……」
「すーはー…………あ、あのですね、リョーマさんが歩いてます!」
「んなっ!なんだと!!」
「あらあら、それじゃあ今日はお赤飯にしましょう。」
「お、おばさま」
・
・
・
「ってことがあったんですよ、リョーマさん。」
「ふーん。」
「あら、つれないですね。興味ないですか?」
「別に………」
「あの頃はリョーマさん、もっと可愛かったんですよ。」
「そりゃそうでしょ。赤ん坊は可愛いものだし。」
あ、拗ねちゃいました?でも、そんなところも可愛いですよ?
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せっかくお題をお借りしたのに、微妙な作品に………
でもこれまだ続きます!
このあとはおつかい編ですので、お楽しみに!
Fin.2013.03.31 創瑠唯