thanks | ナノ


▼ 残念イケメン会〜残念な婿にもいろいろあるわけで〜

side:残念婿



あてどない道だった。


その道は細く、暗く 先には一点の光すらない。


ただ暗い闇だけが覆う、細く狭い廊下を真人は歩いている。


ここはどこだ?一体何が起こってる?


ぼーいずらぶ小説にあるまじきこの冒頭……フツーの大学生設定には荷が重いだろ……っ!


意味のわからないロケーションを自分に課した創造主の思惑に真人は舌打ちをした。


チッ、と口腔から音が漏れた瞬間だった。


辺りは光に包まれる。


闇に慣れ始めていた目を凝らして見えたのは、ただ白い壁と同じ色をしたドアだった。


「……ここに入れ、って言うのか……?」


なにか空恐ろしいものを感じながらも、真人は白いドアに手を伸ばした。


光の先には何がある?


何が……



高鳴っていく心臓が指先の感覚と重なって、ひとつになる。


真人はドアを押し開けた。




prev / next
(1/30)

[ bookmark/back/top ]




×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -