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「では次、冴島さん。続きから読んでください」
「……はい」
席順に順番が回ってきて、明智先生がいよいよ私を名指しした。
眼鏡の奥に潜む鋭い視線が教壇から私を射抜いている。
「I don't suppose you ever were……」
平静を保ち、いつものようにスラスラと英文を読み上げる。……はずだった。
刹那、私の膣内に埋め込まれた異物が蠢き出した。
「you…、you can't possibly……understand……」
どんどん掠れゆく声に、不思議そうな周囲の視線が注がれる。
「冴島さん、どうしたんですか。この程度の文章、君なら完璧に音読できると思うのですが。どこか具合でも悪いのですか?」
「す、すみません……大丈夫です」
「そうですか。慌てなくて良いんですよ。ゆっくり読んでください」
「……はい」
微笑む先生の口元が、私にはただ不気味に薄っすらと口角を上げているように見えてしまう。
それもそのはず、何を隠そうこの異物の正体であるリモコンローターのスイッチを握っているのは彼なのだ。愉しくないはずがない。
「It's worse than……、っぅ……!」
改めて音読を始めると、それに合わせるように振動が強まる。
思わず吐息を零すと少しだけ弱められ、それを何度も何度も繰り返される。
「anything you colud imagine……、んっ……but……、I……はぁっ……」
いつもの私なら余裕すら感じる授業のひとコマが、今は気が遠くなりそうな長い時間に思えた。
じゅわっと蜜が溢れ、ローターを押し込めているショーツに染みが広がるのを感じる。しかしこの場ではどうすることもできず、私は必死で刺激に堪えるだけ。
「I didn't mean……、ぁ、はぅっ……ん!」
再び強い振動が与えられ、全身に電流が走った。
ビクンと肩が震え身体が硬直してしまう。
騒めく生徒を宥めるように先生は教壇を軽く叩いた。
「冴島さん、やはり体調が優れないようですね。もういいですから、保健室へ行きなさい」
「っ……、でも」
「いいから行きなさい。少し休んだ方が楽になるでしょう」
「……は、はい」
言われるがまま私は席を立つ。
「……っ、ん……ふ……!」
スイッチは止まっているはずなのに、中が擦られるだけで声が漏れてしまいそうになる。
「冴島さん、大丈夫? 保健室まで付添おうか?」
「ん、だ……大丈夫……ありが、とう……、っ」
本当に大丈夫? と下から顔を覗き込む彼女へ何とか笑みを作ってみせる。
心配そうに見つめるみんなの視線がまるで私を犯していくみたいで身体が熱く疼いた。
「は……ぁ……」
フラフラに足をもつらせながら教室を出る。
扉を閉め壁に手をつきながらゆっくりと歩き出した直後、強烈な振動が膣内に響いた。
ヴゥゥゥゥッ…
「ぁぁっ……、は……ん……っ!」
きゅっと内腿を締めるが余計に刺激は増してしまう。
「ぅっ、ぁぁ……はっ、……はぁっ……!!」
震える脚を支え、唇を噛み締めて必死で声を押し殺した。
しかしそれを許さないと言わんばかりの激しい快感が私を襲ってくる。
ヴゥゥゥゥッ…ヴゥゥゥゥッ…
「っ……や……ぁぁ……、は……っ……んんぅ―――っ!」
頭の中が一瞬で真っ白に染まっていった。
下半身の力が抜け、ペタンとその場にへたり込んでしまう。
「は……、ぁっ……」
教室からは淡々と授業を続ける明智先生の声が聞こえてくる。
絶頂へ達してもなお止まらない振動は、甘い余韻に浸る間も与えず新たな快感で私を支配し始めていた。
優等生の秘密【完】
2016/03/11
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