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今日は、中学時代のクラスメイトが集まる同窓会だった。
新しく買ったピンクのワンピースに湊くんからもらった星のネックレスを光らせて、軽くお酒を飲みながら、懐かしい顔ぶれにすっかり時間を忘れてはしゃいだ。
「それにしても美羽ちゃんって、マジで綺麗になったよな」
「そうかな?」
解散後、同じ方面の篠田くんが駅まで送ってくれた。
「電車が来るまで付き合うよ」という彼の言葉に甘えて、昔話に花を咲かせていた。
「そうだよ! 一瞬、誰かわかんなかったくらい」
「ほんと? 嬉しいな。いつもは、昔のまま全然変わらないって笑われるから……」
「それってもしかして、いつも一緒にいた幼馴染のヤツ? 今でも仲良くやってるんだ」
「うん。幼馴染っていうか……実は最近、付き合い始めたんだけどね」
「げっ、マジかよ! ……はぁ、久しぶりに美羽ちゃんに会えて、運命の再会かもってちょっと期待したのに」
私が軽く笑うとしょんぼりと篠田くんはうなだれる。
「けどさ、幼馴染って……確か兄弟だったよな? 兄と弟、どっちと付き合ってんの?」
「あ、うん。私が付き合ってるのは……」
言いかけたその時。
ポケットに入れていたケータイから、着信音が鳴り響いた。
ディスプレイには彼の名前。
篠田くんにそれを見せると、残念そうに舌打ちする。
「ちぇ、そっちか。俺じゃ勝ち目なさそうだな。じゃあ、そろそろ電車も来るし俺は行くよ。またみんなで集まろうな!」
「あっ、送ってくれてありがとう! またね」
気を利かせてくれた篠田くんに手を振り、通話ボタンを押す。
電話に出たのは……―――
▼ 湊▼ 昴
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