ヤンデレ彼氏-嫉妬編- | ナノ

p.2

◇◆◇◆◇◆


 今日は、中学時代のクラスメイトが集まる同窓会だった。
 新しく買ったピンクのワンピースに湊くんからもらった星のネックレスを光らせて、軽くお酒を飲みながら、懐かしい顔ぶれにすっかり時間を忘れてはしゃいだ。

「それにしても美羽ちゃんって、マジで綺麗になったよな」

「そうかな?」

 解散後、同じ方面の篠田くんが駅まで送ってくれた。
 「電車が来るまで付き合うよ」という彼の言葉に甘えて、昔話に花を咲かせていた。

「そうだよ! 一瞬、誰かわかんなかったくらい」

「ほんと? 嬉しいな。いつもは、昔のまま全然変わらないって笑われるから……」

「それってもしかして、いつも一緒にいた幼馴染のヤツ? 今でも仲良くやってるんだ」

「うん。幼馴染っていうか……実は最近、付き合い始めたんだけどね」

「げっ、マジかよ! ……はぁ、久しぶりに美羽ちゃんに会えて、運命の再会かもってちょっと期待したのに」

 私が軽く笑うとしょんぼりと篠田くんはうなだれる。

「けどさ、幼馴染って……確か兄弟だったよな? 兄と弟、どっちと付き合ってんの?」

「あ、うん。私が付き合ってるのは……」

 言いかけたその時。
 ポケットに入れていたケータイから、着信音が鳴り響いた。

 ディスプレイには彼の名前。
 篠田くんにそれを見せると、残念そうに舌打ちする。

「ちぇ、そっちか。俺じゃ勝ち目なさそうだな。じゃあ、そろそろ電車も来るし俺は行くよ。またみんなで集まろうな!」

「あっ、送ってくれてありがとう! またね」

 気を利かせてくれた篠田くんに手を振り、通話ボタンを押す。
 電話に出たのは……―――

▼ 湊

▼ 昴

2/2

/ top / 次
中編小説top

×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -