鼻歌を巻島先輩に聞かれる

鼻歌を口遊みながら洗濯物を干していく。歌っているのは小野田くんの勧めで最近ハマったラブヒメの歌だ。可愛くてしょっちゅうついつい口遊んでしまう。
籠から最後の一枚を手に取ってシワを伸ばしす。あ、巻島先輩のだ。

「……メ!!スキスキダイスキ

ちょっと嬉しくなって、ほかのより丁寧に伸ばしてからハンガーに吊るして物干し竿にかけた。
終わったので戻ろうと籠を持ち上げた瞬間、物が落ちた音が聞こえて振り向くと、巻島先輩は顔を真っ赤にして立っていた。どうしたんだろうと思って、緊張しつつも声をかけようとすると「お前っそーゆーのは男のセリフっショ!俺に言わせろよ!」と言って走って行ってしまった。少ししてあの歌を聞かれたのと、先輩の誤解に気づいて顔に熱が集まる。まだ言うつもりはなかったのに、どうしよう。お夕飯の時一体どんな顔して会えばいいんだろう。てか俺のセリフってことは先輩と両想い……?
ないないと思う気持ちよりも、もしかしたらそうかもしれないという気持ちのが膨れ上がって思わず洗濯籠を放って駆け出した。

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