作品掲載「愛惜」汐見様


以前ほかの参加者様の感想でも書いたのですが、私は和食が好きです。和食の何がそんなに好きかと言うと、そもそもお米が好きなのです。
ついこの間も「青天の霹靂」というお米をお取り寄せして優勝しました。(べ、別に名前が善逸くんぽいからって買ったわけじゃないんだからね///)美味しいお米は人を幸せにするのです。もしかしたら鬼だって幸せにするのかのしれません...。
以下、主催の感想です。

>美しい場所だった。赤い彼岸花が咲き乱れ、赤い絨毯を敷いたような風景が見渡す限り続いていた。この世のものとは思えなかった。
もうね、最初の情景描写から素敵すぎて参りました。人の姿を真似た黒死牟さんが彼岸花の海を歩いている。それだけですごく絵になりますよね。しかも理由が“あの人”の探す青い彼岸花を探して...というのですから、ちょっとそわそわしてしまいます。本当に見つけてしまったらどうしましょう...(汗)

そんななか出逢った青い着物の女。斬る価値も無いと即座に見切りをつけた黒死牟でしたが、実はその女性も幻の彼岸花を探していると知り一緒に行動することに。
朗らかで気ままな主人公と、あくまで青い彼岸花を探すために女を利用しようと考える黒死牟。柔と堅。ちぐはぐな二人の会話がなんだか可愛らしく思えます。
> 人を斬るのは造作も無いが、武器も持たないような女を斬るのは信条に反する。
めっちゃ紳士じゃない...?原作でもそうなのですが、黒死牟って要所要所で微妙に優しいんですよね。無一郎くんの腕を止血してくれたり...。鬼になっても剣士としての矜恃をしっかりと持っているんでしょうね。強くなるためにヒトは食べるけど無駄には殺さない、みたいな...。

そして、蕾を観察する黒死牟に差し出された干し飯。「あんまり美味しくないけど」という女の言葉に、蘇ってくる懐かしい記憶。全ては思い出せない、けれど、食べる前からその味を思い出す。そんな黒死牟になんだか切なくなります。遠い昔、鬼になる前に誰かと食べたのでしょうね。
鬼である黒死牟がきちんと味を感じられたのか定かではありませんが、たとえ何百年経っていても自分の中にある美味しい物の味は変わらないのでしょう。泣ける...。

女から一方的に取り付けられた再会の約束。三年に一度しか会えないなんてまさに幻です。黒死牟がその女性に青い彼岸花を重ねるのもよく分かります。普通の女、と書いてあるけれど、きっと黒死牟にとってはほんの少しだけ特別な存在になるのでしょう。最後にぱっと姿を消してしまうのも不思議な余韻があって好きです。

可愛いお話からちょっとエッジの効いたお話まで幅広く表現する汐見さん。尊敬しかありません。頂いたメッセージに「干し飯が美味しい物に入るか...微妙です」と書いてありましたが今回は特別にOKです!だってそれを食べて登場人物の心が動いたのですから!

おかわりの美味しい干し飯、ご馳走様でした!

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