世界を超えて

「起きたか?」
「ん〜…」
「全然。よく寝れるよね!この状況で」
「随分歩き慣れてるのね、シエル」
「まぁな…。つーか早くロイドを起こしてくれ…」
「あたしたちが何しても起きないんだよ」


シルヴァラントベース。ちなみにセレネはユアンとお茶タイムだ。めんどうは全部俺に任せて。別にいいんだけどさ、此処は何回か(謝りに)来てるから。ロイドたちを迎えに来た(2回目)が、未だ起きないロイドに静かに近付く。


「しょーがねぇなぁ〜」

笑顔で剣(ロイドの)を握りながらベッドに近付く。その笑顔を見たジーニアスは、慌てたようにロイドに駆け寄った。

「…ロイドー!早く起きてー!!」
「んぁ…?ってうわぁぁあぁぁ!!?」
「よし、起きた!」
「鬼だ…」


枕の羽根が辺りに舞う。ロイドが避けたのを見計らって、枕に向かって剣を振り下ろしたから。本当に殺されると思ったのか、ロイドはジーニアスとくっついていた。剣はベッドに投げられて。リフィルが呆れたようにため息をついた。

「そこまでになさい。シエル、ロイドも起きたことだし案内してくれるかしら?」
「あー…うん、分かった」

躊躇ったのは、セレネが空気を読まずお茶をしていることを思い出して。少し泳いだ視線の意味をしいなだけは理解したんだろう。起き上がり剣を腰に差したロイドは、まだびっくりしているのか少し離れていた。何故かジーニアスの影に隠れて(隠れられてねぇし)


「何処に行くんだ?…あれ?つーかここどこだよ」
「トリエットにあったシルヴァラントベースだよ。で、行くのはセレネと、此処のリーダーのところ」
「トリエット…って、ディザイアンの?!」


驚いたようにジーニアスから離れたロイドに苦笑いする。確かに、一見ここはディザイアンと同じ組織に見える。この存在を知っていたしいなは、ロイドの態度に笑っていた。

「ここの連中はディザイアンじゃないんだよ」
「………は?」
「仕方ないよ。いっぺんに色々あったから」
「ロイドだしな」
「どういう意味だっ」


心配そうに、心を失ったコレットを見ていたジーニアスを誤魔化すように笑ったらリフィルに呆れられた。


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