見えない裏側

此処まで長かったです。まずは封印を探してパルマコスタへ向かうことに。途中通行書がなければ通れないというハコネシア峠でコレットがやたら再生の神子を主張して、半ば無理矢理ハコネシア峠を通行。それからパルマコスタに入って早々因縁をつけられてキレかかったコレットを宥めつつ教会へ。そして再生の書があるという総督府では先程因縁をつけてきた連中が神子と偽り、再生の書を持ってどこかへ行ってしまったことにコレットがキレかかり半ば逃走。

「スピリチュア像な…」
「コレットが頼めばもらえるんじゃない?」
「そうだね〜脅せばいいか〜」
「そこは可愛くお願いしておくって言いなさい」
「でもセレネ、私神子なのにひどいと思わない〜?」


笑顔で返してきたコレットに少しだけ苦笑いしながら、「はいはい」とあいまいに返事をしておいた。その再生の書もハコネシア峠にある骨董品マニアの人に売られてしまったらしく見せてくれるという交換条件の下、スピリチュア像を持って来いとのことらしい。それは救いの小屋にあることは分かっている。そもそも脅せばっていうならばあの爺を脅すのが一番早いと思うけれどね。



「おい、聞いたか?」
「マグニスがディザイアンを引き連れてパルマコスタへ向かったらしいな」
「あぁ。しばらくパルマコスタには行かない方がいいかもな…」

骨董品マニアな爺さんの小屋から出た途端、何人かの商人がそう話しているのが聞こえた。マグニス…っていうのは、パルマコスタ周辺にある人間牧場を仕切っている五聖刃の1人…だった気がする。とにかくパルマコスタが危ないとなれば、此処にいるお人好しな子供たちが黙っているわけがない。アスカードの人間牧場も潰したんだから、今更幾つ人間牧場を潰したところで変わらない…とは思うけれど、あまり危ないことはしたくはないのよね。


「行くのよね、結局」
「何言ってんだよ姉さん!当然だろっ」

そう言って呆れながらに笑えば、ロイドやコレットはもちろん、しいなまでもが。意気込んで頷いた。真っ先に走り出した彼らを私たちは苦笑いしながら、あとを追うことにした。此処まで来たら、彼らは止められない。


けれど、止める理由もないか、と思いながら。走りだした彼らを追おうと歩き出す。少し後ろで、リフィルが呆れたような顔をしているのが見えた。目的、忘れてるんじゃないかってことなんだろうけれど。


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