空想計画書

エクスフィアが人から作られているという、かなり要らない情報を貰って、一度人間牧場から脱出したロイドたちと合流して。またそれから、ロイドがエクスフィアを捨てるだの捨てないだのひと騒動あり。とりあえず、人間牧場からは逃げ出したピエトロって人を助けるために、再びハイマに戻っている途中の話。

「シエル、貴方いつの間に髪を染めたの?」
「そういえばそうだよな。なんでいきなり赤くしたんだ?ていうか染める時間なんかあったっけ…」
「でもこっちの方が綺麗な色だよ〜」

ロイドたちに寄られながら、少しだけ視線をさまよわせた。音素が安定してなかったから、と言っても通じないだろう。ていうか通じるのはごくわずかな人間だけだと思います。とは言えなかった。困って苦笑いしながら、

「…まぁ最初からこの色だったんだけど…」
「え?じゃあなんで青かったの?」
「大人には色々あるんだよ、ジーニアス」


そういえば不思議そうな顔で俺を見てきたジーニアス。本当もう、これはローレライに勝手にされただけなんだって。セレネにも言ったけど。元々こっちの色だったんだよ。そもそもなんで青だったのかはわからないけど。

「あ、でも俺そっちの髪の色も好きだぜ!」
「うん。綺麗な朱色だよね!」


たまに思うんだけど、髪の色がこれでよかったって思うことがあるんだよ。さすがに真っ赤じゃ目立つだろうし…

「俺もアイツみたいな赤じゃなくてよかったって思ってるけどな……よかった、劣化してて…」
「………劣化?」
「うぉ!?悪い、クラトス、聞かなかったふりしてくれ……」

一番まずい人に聞かれたかもしれない、なんて苦笑いしながら、目の前に見えてきたハイマに小さくため息をついた。


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