指導法

「ふ、ふふふ…!私の見たかった古代書が…!!素晴らしい!!素晴らしいぞ!」
「クラトス、やっぱり開かないかしら」
「…鍵、というよりも何かの仕組みだな。このままでは先には進めない」
「え、俺開けようか?」
「超振動却下。無理矢理開けて、何が起こるか分からないもの」


マナの守護塔。アスカードまで行って取ってきた鍵を使って、その中に私たちはいた。最初に入ったところは、高い壁一面に本棚になっていた。その先、進む道は二つあった。どちらの扉も閉まっていたのだけれど。
暴走しているリフィルをよそに、私とシエル、それからクラトスは先に進む道がないか確認していた。理由は1つ。この塔の中に神託の石板があったから。


「あ、開いたよ〜」

そんなコレットの声に振り返る。中央を囲むように少しだけ盛り上がっている丸いところが3つある。その上にコレットとジーニアス、ロイドが乗っていた。私たちが見ていた扉とは別納場所にあった扉が開いたのが見えた。


「これで進めるな!……ってあれ?」

ロイドが開いた扉の方に向かおうと、その場所を退いた瞬間に扉は閉まってしまった。それを見たロイドが再び同じ場所に立つと、また扉は開いた。何度か同じことを繰り返して見るが、結果は同じで。こういった仕掛けはどこにでもあるのか、と小さくため息をついた。


「仕掛けってこれか」
「そうね…二手に別れましょうか。とりあえずコレットとロイドは先に進んで。あとは…」
「クラトス!」
「却下。」

ロイドに名指しで呼ばれたクラトスはちょっとびっくりしていた。それを見たジーニアスとシエルはほぼ同情の目でクラトスを見ていた。クラトスに死なれたら困るから、とりあえず速攻却下。「なんでー」と拗ねているロイドを後目に。


「あ〜…じゃあ俺が行くよ。セレネ、此処の文献読みたいだろ?」
「…シエルこそ」
「うーん、まぁ見たいけど…。どうせ今日泊まりだろ?今更町に行くのは…」
「無理だな」
「だろ?」


クラトスの言葉に少し悩む。ロイドとコレットじゃ不安だけれど、シエルがいれば戦力的には問題ない。この先も仕掛けがあると思うと面倒…というのが正直な感想だったけれど。シエルの提案に甘えて、此処で留守をすることになった。

「よし、じゃあ行くか。まぁ俺は戦闘に関しては回復しかしないからなロイド!」
「え、なんだよそれ!」
「稽古だと思えよー。死にそうになったら助けてやるから」
「そうだよロイド!瀕死になったら止めは私が刺してあげるから、ね?」
「さんきゅーコレット!」


…若干コレットが怖いことを言っていたけれど。会話が噛み合ってないわね、コレットとロイド…。慣れているのか、ジーニアスは少し呆れていた。大丈夫かしら、彼ら。


|
[戻る]