それでも君の側にいる

今、俺たちがいるのは第二の封印(らしい)バラクラフ王朝。アスカードで手に入れてリフィルが一晩中解説してた、あの石板が鍵になっていたみたいで。…アスカードでのあの出来事は無駄ではなかったらしい。(でも確か、守護塔とかいうとこの鍵を探してたんじゃ…)

「へー、此処が封印か…」
「…………………シエル、凄いね…」
「ん?なにが…?」
「ナンデモナイ…です」

なんかジーニアスに視線そらされたんだけど…。なんかやったか?俺…。先頭切って歩く俺の右手にリフィルがいる。もちろん無理矢理首根っこを引っ張って、だ。そんなこと気にしてないのか、リフィルは目を輝かせて辺りを見回している。…だってさ、リフィル放置しておいたらアスカードの二の舞になる気がするんだよ(賢明な判断だよ)



「道分かんないけど…まぁなんとかなるか。あ、ロイド、そこ針出るから気を付けて」

危険察知能力を身につけさせようかなぁ、とロイド見ながら思案中。セレネはジーニアスと一緒にいるから大丈夫か…。コレットは天使の羽根で飛んでるし。いいな、あれ。とちょっと思ったり。ていうか、俺もレネゲード辺りからエクスフィアかっさらって来ようかなー。そんなことを考えながら、


「んー。…あ、そうだ。ジーニアス、そこにそれはめてみて」


ジーニアスはその言葉に首を傾げたけど。なんか、道しるべになりそうな石板があんだけど、暗くて読めないし。火を付けるにしても、風が強い。そこにちょうど、なんとも怪しい真四角な石と床の色が違うところがあって。石がその床の色が変わっているところにちょうどはまらそうな感じ。納得したのかジーニアスはその石を動かしていた。まぁロイドに手伝ってもらいながら。なんか前にあの眼鏡が「あぁいうのが何とも怪しい感じがするのですがねぇ」なんて言って使用人← にやらせてたの思い出した。



「シエル、風は止んだけど…どうやって火を付けるの?」
「あ、うん、それはさぁ…」
「…考えてないのね」


ジーニアスの問いに曖昧に答えればセレネに突っ込まれた。それにしてもなぁ…片手にリフィルで戦闘ってちょっときついものがあるんだけど(まだ持ってた)でもなぁ、みんなに離すなって言われたし…。まぁ確かに俺も離したくはない。1人で勝手に歩き出すからだけど。

「あ、これなんてどうですか〜?」
「ソーラサーリングか!」

コレットが袋をあさって出したのは小さな指輪。それをロイドが受け取って、燭台に向かって使った。…どっかの「ですの〜」を思い浮かべたのは黙っておこうか。あれって「アタ〜ック☆」とか出来んのかなぁ、なんて思ったのも黙っておこうか。多分、違うから。「アタ〜ック☆」とは別だから。ロイドが燭台に向かってソーラサーリングを使い、辺りが少し明るくなったところで、リフィルが高笑いしながら俺から離れて石板に食い入っていた。


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