頭の中は君だらけ
私は赤いものが大好きです。ちなみに、身の周りのものはほぼ赤色、もしくはオレンジやピンクにうめつくされています。そこまでかっ!ってくらいに赤が大好きなのです。今日もまたお気に入りのピンクのワンピースと赤いリボンで髪を結んでます。
「……名前ちゃん、どんだけ赤が好きなわけ…?」
少し疲れたように呟いた彼に振り返る。そんな声音なのは彼が赤があまり好きではないからだろう。嫌がらせとかじゃないんだって。そう言っても聞き入れてもらえなかった昔。
「また増えてんな〜…つーかこれはどうよ」
目線の先にあるのは、ピンクの犬のぬいぐるみ。だって、可愛かったんだもん。そう言いながら、そのぬいぐるみを抱く。
「名前ちゃんのが可愛いっての」
何か呟いてたけど聞こえない。なーに?って聞き返したけど、教えてはくれなかった。ぬいぐるみを抱いてる私を楽しそうに見てる。なにが楽しいんだか、わかんないけど。
あのね、私が赤が好きな理由教えてあげるようか?簡単なことなんだよ。だって、私は貴方のことしか考えてないから
「だって、なんか、ゼロス思い出すから。傍にないと、落ち着かないよ」
人が真面目に言ったのに、ゼロスってば何か笑ってる。しかも爆笑だよ。ひどくない?
「本当、名前ちゃん可愛いこと言ってくれるよな」
笑いながらそう言ってたけど、少し赤くなった。言わないけどね。からかわれるの嫌いみたいだし…
抱いてたぬいぐるみはゼロスに取られた。そして、そのまま後方に投げられたぬいぐるみ。あ、あの犬、せっかくゼロスに似てたから買ったのに!
「赤いものじゃなくてなぁ…目の前にいるんだから、俺を見てろよ」
「ぬいぐるみに妬いてた?」 「俺様、そこまで嫉妬深くねーよ」 (…嘘つきだぁ)
頭の中は君だらけ! (ていうか〜んなもん買わないで俺のとこに来ればいいでしょーが) (う、うん!行く!) (……嬉しそーな顔しやがって…)
‐‐ (これはJeunesseへの提出作品です)
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