最初はただ単に興味を持っただけだった。

DOLLARSの創立者でしかもまだ高校生…それぐらいの興味しか持っていなかった。

だけど、初めて会ってから何かが違った。

何をしていても彼のことが頭を過るし、何より池袋に来る度自然と彼を探してしまっていた。


何故こんなにも彼が気になるのだろうと不思議に思い、波江さんに聞いたところ
「それは 恋 よ。」

と簡単に返されてしまった。

俺が恋?いやいや、俺は 人間 を愛してるだけであって、決して彼に恋してる訳ではないのだ、と、何回自分に言い聞かせても自然と彼に惹かれてしまう自分を制御できなくてやっとこれが 恋 なのだと理解した。



俺が彼への想いを自覚してから彼について知りたくなり調査を始めた。


調査してわかったことは、彼がいかに真面目な子であるかとか、すごく可愛いということなど、かなりの収穫だった。



今日も今日とて彼を調査していたら、彼がアイツと会っていたのを見つけた。

何故あんなにも楽しそうにしているのだろうか、チクリと胸が痛んだ気がした。

その次の日も彼を追っていたら、またアイツと会っていた。
2人で仲良くご飯を食べていた、やっぱりチクリと胸が痛んだ。


その次の次の日、とうとう俺は彼に想いを告げようと決意した、アイツになど取られてたまるか。


「臨也さん?こんな時間に呼び出して何かあったんですか?」

「あぁ、わざわざごめんね。ちょっと伝えたい事があってさ」

「いえ、別にいいんですが…伝えたい事って何ですか?」

「うん、えっとね…俺どうやら帝人君を好きになっちゃったようなんだ」

「は?! ……臨也さんってたまに笑えない冗談言いま「冗談なんかじゃないよ」えっ…」

「本当に帝人君が好きなんだ、いや、愛してるんだ」

「臨也さんが愛してるのは人間であって僕ではないですよ、きっとそこを間違えて認識してしまってるんですよ」

「本当なんだよ」

「違います」

「本当だってば」

「違います」

わからないのなら力ずくでやればいいと本能が訴える

「……」

俺は無言で彼の肩を掴み

「っ!?臨也さん!?痛い!痛いですってば!」

無理矢理彼の唇を奪った

「んぅっ!?…………んーーー!んーーー!」

必死に抵抗しようとしているが、貧弱な彼が俺に勝てるはずもなく、無駄な抵抗に終わった。


やっと満足して口を離すと、彼は俺に拒絶の言葉を投げ捨てた。


「なっ、何するんですか!僕は臨也さんの事なんかこれっぽっちも好きじゃないのに…勝手にキスするとかどんな神経してるんですか!」

「………これっぽっちも?」

「はい!それに、僕が好きなのは静雄さんですから」

彼からアイツの名が聞こえた時、またもやチクリと胸が痛んだ。

一人で茫然と立ち尽くしてる間に彼は帰ってしまったらしい、あれからどのくらい時間が経ったかわからないが相変わらず胸の痛みは止まず、むしろ増してきていた。


それからの記憶はなく、気付いたら新宿の事務所まで帰ってきていた。




ふと目が覚めると朝になっていて………ヂクリヂクリと胸の痛みは止んでいなかった。


昨日の今日で池袋には行きたくなかったが、大事な仕事の為しょうがなく池袋へと向かった。

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