外はカップルが賑わう
クリスマスイブ

僕は冷たい畳を背に……





さよなら世界
僕は貴方に会いに逝く




その知らせを受けたのは
今日からちょうど1週間前だったか

何しろそれからの記憶が曖昧で不確かだから仕様がない


夜中に突然鳴り出した電話
電話口から聞こえる見知らぬ男の声


何て喋ってたか思い出そうとしたが思い出せない
それほどまでに気が動転していたんだと思う

ようやく落ち着いた時には何故か僕は外に居て、周りにたくさんの知り合いが居て、目の前には立ち入り禁止と書かれたテープが張り巡らされていて、

脳内に響くのは「彼は死んだんだ」と言う皆の声




そんなはずない
彼が死ぬはずがないじゃないか
だって彼は、あの情報屋折原臨也が、そんなこと………………


その場を駆け出す
警官や皆の制止などもう耳に入らない
ビニールシートを掛けられた“それ”に近寄る

彼じゃない
彼なはずがない

そう何度も呟く

そっとビニールシートに手を掛け……………











“それ”は紛れもなく彼だった


なんだこれ、
なんだそれ、
だって、
なんで、
どうして、
彼は、
臨也さんは、
昨日まで一緒に居て、
2人でクリスマスデートしようって、
別れ際に触れた体は温かくて、
なのに、
ここに居る彼は冷たくて、

あぁ、彼はもうこの世には居ないんだと理解してしまった





それから世界は色を失って
彼の居ない世界に意味はなくて


床に寝そべる
床が冷たい
外は雪が降ってる
だから冷たい
寒い
寒い
心が寒い
人肌が恋しいんです臨也さん


ふと目に着いたのは
彼の遺留品となった愛用のナイフ

あぁ、そうか

寂しいなら貴方のもとにいけばいいんですね








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都内某所10代中ばと思われる男子学生の遺体が発見されました。
死因は鋭利な刃物で手首を斬りつけたことによる失血死と見られており、少年がナイフを握っていた事から自殺と事故死の両方で捜査を進めている模様です。



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