猫のようだと思ったのは始めだけだった。その外見と仕草そして表面的な性格からそう感じる人は多いと思うのだが、仲良くなればなる程猫じゃないなと思い始めた。出会った頃の彼と言ったら笑顔で表面上人柄の良さを出してはいたが蓋を開けてみればえげつない事を平気でやっていた。正直印象は最悪だった。ところがいざチームメイトになり共に戦う仲間となると、彼の解りにくい好き嫌いに気付いた。
表面上は人柄が良いのは変わらないけれど好きな人に対しては甘えが出る。それは極一部の対象にしか出ないのでどうでも良いと思われている大多数の人は気付かない。只のいい人止まりなのかもしれない。
とても気紛れな彼は同じシチュエーションでも何かの差で甘えたり甘えなかったりとまちまちだったりする。甘えてくる場合も内容も様々で、明らかに甘えるときもあれば微かな時もある。ある時は肩に頭を乗せてきたし、またある時は部屋に引きずり込まれた。その後は言いたくないので割愛する。
とにかく、何が言いたいのかと言えば、要は彼は僕には甘えてきているという事実だ。お陰で僕と彼との関係は所謂友達の域から抜け出てしまった。けれど別に付き合っている訳でもないのだから質が悪い。今更どうなのかを問う時期も術も無くしてしまったのだから。
取り敢えず、今日も俺は彼の微笑みの中にある意図を感じては、逆らえない自分に溜息を吐くのだった。



考察する彼(カ)の人
(結局逆らえない)

back

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -