後ろ向きの背中合わせ(設定と会話文)


自分が嫌いで家族も嫌いで家族が仲良くて諦めない幼馴染の天馬が苦手で

でも自分が逃げ出した時とか迷子になった時絶対最初に見つけてくれるから
嫌いにもなれない夢主と

嫌われてるのは分かってるけど、
ほっとけないし冷たい態度取るけど困った時は助けてくれるしもっと自分に自信を持って欲しいなって思ってる天馬君の話

というネタが唐突に思いついたので
書きたいところだけ会話文で書いてみました。



「葵ちゃんってすごいね」
「え?」
「そうやって自分の意思で色々行動出来るところ尊敬してる」
「そ、そうかなあ」
「いいなあ私も葵ちゃんみたいになりたかった。天馬の隣に並び立てる子になりたかった。」
「並び、立てる?」
「うん、私じゃどう頑張っても隣には行けないから」


ここから時間飛びまくって
クロノストーン編


「お前にはサッカーを嫌いになってもらう」

サッカーを嫌いになる?天馬が好きなサッカーを?そうなってしまったら、
今迄の悩んだ時間も苦しさも無駄になっちゃう。天馬の好きなものは絶対嫌いにならないって唯一守ってきた誓いが無駄になっちゃう。そんなの嫌だ。


素直に応援出来なくても
惨めな気持ちになっても、サッカーしてる天馬がやっぱり好き。天馬には夢に真っ直ぐでいて欲しい。

《やっぱりここにいた!
ほら帰ろうよ》

この気持ちを失いたくない。

「……私は、天馬の事、羨ましいし、妬んでるし、でも嫌いなわけじゃない。そんな天馬だからこそ、嫌いにはなれない。憎めない。

ずっと守ってきたこの気持ちを、失うわけにはいかないの。
天馬が好きなサッカーを
私が嫌いになるわけにはいかない!」

マインドコントロール波を浴びて
倒れたところに天馬達が駆けつける
(上の会話は聞こえてた)


「おい!起きろよ!」

「ちょっ、天馬!そんなに揺さぶったら、」

「お前って狡いよ!
俺ずっと嫌われてるかと思ってたのに、そんな風に思っててくれてたなんて……
知らなかったし、全然気付けなかった。
なんだよ……言うだけ言って……こんな」

「天馬……」
「こんなに慌ててる天馬君、初めて見た……」


「……ごめん。
昔みたいに、すぐに見つけてあげられなくて、ごめん。
今迄言えなかったこと、全部俺にぶつけてくれて良いから、俺ちゃんと聞くからさ、だから……
いなくならないでよ……」




「マインドコントロール波の意思とみょうじさんの意思が多分心の中でぶつかり合ってるんだ。彼女はみんなみたいに強い精神の持ち主じゃない。話を聞く限りは、普通の人よりも繊細……だよね。」

「うん、昔は誰もいないところでよく泣いてた。そういうとこ見せたがらなくて、それでなんでだよって問い詰めちゃったりして、
そこから喧嘩になった事もあったな」

「喧嘩?天馬が?」

「俺だって喧嘩くらいするよ。
でも結局ほっとけなくてさ。
俺が困った時は絶対そばにいてくれたし。冷たい態度を取るけど、多分俺よりもお人好しで優しい子なんだ。だから、傷つく事も多かったと思う。」

「……ねえ、天馬にとって彼女はどんな存在?」

「え?うーん、幼馴染、だけど……
それだけっていうのも何か違う気がするんだよな……ほっとけなくて……
泣いてほしくなくて……
側で笑っていて欲しくもあって……
あ!簡単に言うと大切にしたい子?かな?」 

「天馬って……本当自分の気持ちに素直だよね……なのになんで気付かないんだろう……」

「え?」


そこから場面が変わり
昏睡状態から目覚めた


「良かった!」

「ぎゃあっ!?ちょっ、天馬!
重い!一応私病人!」

「あ、ごめん!つい」

「もー……本当変わらないね。そういうところ」

「……ごめんな」

「え?」

「俺のせいでこんな事になっちゃって」

「別に?私が勝手に突っ走っただけで天馬は関係ないよ。私は私のしたい様にしただけ。天馬が責任を感じる事なんて一つも、」

「あるよ!」

「へ、」

「だって、泣いてたのに、苦しんでたのに、俺今迄見つけてあげられなかった!
見つけてあげられてたら、
きっとこんな事にはならなかった!

……これ以上お前に嫌われるのが怖かったんだ。
俺子供っぽいし自分の気持ちのまま行動しちゃうし、多分今迄気付かないところでお前をいっぱい傷付けてて、分かってたんだけど、でもどうすればいいか分からなくて……」

「……いいんだよそれで」

「え?」

「気付かれない様にしてたんだもん。
それに、天馬のそういうところに苛々する時もあったけど、
ほ、ほんのちょっと、救われてたところもあったし……天馬が変わらなかったからこそっていうか……
この際だから言っとくけど!
私天馬の事嫌いじゃないよ。苦手なところもあるし、一緒にいて辛いなって思う事もあるけど、嫌いじゃない。」

「………」

「天馬が好きなサッカー、嫌いにならなくて良かった。
柄にもなく諦めないで良かった。
サッカーしてる天馬の事、ずっと眩しく思ってて……それと、なんだかんだ好きだから」

「……」

「え、なんでそこで固まるの。素直になったのがなんか恥ずかしいんですけど!あーもう!言わなきゃ良かった!嘘!天馬なんか、」

「お、俺!」

「なに!」

「なまえの事、好きかも!
いや、好きだよ!
多分ずっと昔から好きだった!」

「……はあああああ!!?
わ、私は天馬の事なんか
好きじゃない!!!馬鹿!!鈍感!!サッカーバカ!!タラシ!!」

「それでも俺は好き!
ねえ、だからこれからは隣にいてよ!」

「む、無理無理無理!!遠くから眺めてる
だけでも死にそうになるのに!」




ところ変わって葵ちゃんと狩屋君と剣城君と信助君がミーティングルームで話してる

「私さあの2人は並び立ってる、じゃなくて背中合わせだと思うんだよね」

「あの2人って天馬とみょうじさんの事?」

「そう。正反対だけど、分かり合ってるっていうか。2人だけの空気が
知り合った時からもうあったもん。」

「へーそうなんだ。なんか意外」

「2人って一緒にいる時殆ど喋らないの。でもお互い幸せそうっていうか、満たされてる感じがあるっていうか」

「あー天馬君って好きな子といると逆に喋らないタイプ?」

「多分?まあでも良い機会だったかも。そろそろ進展してほしかったし、
うじうじしてる天馬にもイライラしてたからね!どう見ても両片思いだっていうのに
さ〜!」

「お、お疲れ様葵……」

「……これからが一番大変そうな気がするけどなあの2人は」

「あ、剣城君分かる?
まず天馬の思いを受け入れてくれるかどうかの問題がな〜……」

「え!?そこから!?今どう見ても
大団円の流れだったよね!?」

「そういう子なんだよ。悪い子じゃないけど、ちょーっと、ていうかかなり?
面倒くさいから
それこそ、なまえちゃんには
天馬じゃなきゃダメなんだよ。」


また2人に戻る


「え、き、嫌いじゃないんじゃないの!?」

「前言撤回!
私、天馬のことは、そういう風には絶対見れない!」

「そ、そんなの分かんないだろ!
これからは俺を幼馴染じゃなくてちゃんも1人の男として見てよ!
そうしたらきっと変わっていく、というか
変えてみせるから!!」

「やーだー!!」

「あーもう!なんでそんなに後ろ向きなんだよ!」

「そういう性格なんですー!」

「知ってるけどさー!もう少し前向いてさ、俺を見てよ!」
「うっ、眩し過ぎて無理」

「はー……本当お前って面倒くさいね」

「ほっといて」

「ほっとけるわけないだろ。
俺面倒くさいところもまとめて
なまえの事好きだって気付いちゃったんだから」

「〜っ!だ、誰かー!!
他に誰かいないのー!?」

「あ、俺が2人きりにして欲しいって言っちゃったからいないと思うよ」

「じゃあ私がどっか行く!」

「あー!もう病人なんだから
じっとしてなきゃダメだよ!」

 

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