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彼女に「僕の事好き?」と聞くと必ず「好き」と返ってくる自信がある。
但しそれは、決して僕の望んだ好きな訳ではなくて、短絡的に言うと男として見られていない。つまりは、幼なじみだから好きなのだと言う。
だから今。いつもの普段通りに彼女が僕のベッドを占領して雑誌を読み耽っている姿を見て、ドキドキと胸が高鳴っているのは僕だけで。彼女は一切、胸を高鳴らせる事はないのだ。
「――ねぇ?」
「…何。ていうか、その格好どうにかしろよ」
「どうにかって?」
「夏だからって肌見せすぎ」
「あぁ、うん」
キャミソールに短パンの部屋着を着ている彼女は、僕の気持ちも知らないでギリギリまで肌を見せつける。逆に恥じた様子が見られずにいるって事は、僕にはそんな恥じらいも持たないという事で、僕の心臓はバクバクしたりギュウと苦しくなったり、忙しい。
もう少し、僕を男として見ろよ。
言葉にならない思いが、喉につまる。決して声にはしない。これが幼なじみを超えないボーダーラインだからだ。
「サキちゃんがね彼氏と別れたんだって」
「ふぅん」
「彼氏、幼なじみだったらしくてね。家が近いから別れた今、会うのが辛いんだって」
「………」
適当な返事すら出来なかった。
僕は心の中で彼女に男として見ろだなんて言っているけど、幼なじみを止める気もないんだ。矛盾している。だって、彼女の友達のようになってみろ。告白して振られて、気まづいから会うのが辛いだなんて言われてみろ。
僕はそれからどうやって生きていけばいい。
「でも私達はそんな事ないから安心だよね」
何で、何で彼女は僕の気持ちに気付かないのだろう。何で最初からそんな事ないと言えるのだろう。
安心、そうか。僕と同じように彼女も幼なじみという関係を終わりたくないのだ。
例え彼女が僕の気持ちに気付いたとしても、彼女は精一杯気付いてないフリをするんだろうな。
これは幼なじみ以外の関係を全て否定している彼女の遠回しの意志。だったら、仕方ない。
「…そうだね、安心だ」
好きなんだ。本当は大好きなんだ。
気付いてよ。でも、気付かないで。
どうしようもない言葉達が僕の心を締め付けた。
心に叫んだ僕のエゴ
(これが僕なりの彼女の愛し方)
死亡率99%様提出
20110908 笑衣
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