『だからなっちゃんは心配性すぎるだけだって言ったでしょ?普通お互いが好きだって言ったらそれはもう付き合ってるんだって!』

そんなメールが届いたのは、翌朝のことだった。
事の顛末をりっちゃんにメールすれば、案の定といった返信。
それでも、昨日の夜のあれは無駄ではないと思った。
お互いの気持ちの確認ができたし、何より先輩が私に言ったあの言葉・・・。
思い出すだけで顔に熱が集まるのを感じ、とっさに両手で頬を包むのだった。



練習はハードなものだった。
いくら選手ではないとはいえ、マネージャーの仕事も多い。
頑張ろう。心の中で口にして、休憩が始まった皆にドリンクを運ぶ。

「夜久さんどうぞ!」
「お、サンキューな!」
「海さんはこれです」
「ありがとう」
「あ、先輩も」
「・・・」
「黒尾先輩?」

手渡したドリンクを受け取るも、何やら腑に落ちないといった表情の先輩。

「そういや、奈月は俺だけ先輩呼びだよな」
「言われてみれば確かにそうですね」
「夜久や海はさん付けなのに」
「その方が呼びやすいんですよね」
「何だ黒尾、ヤキモチか?」
「まあな」
「えっ!?」

割り込んできた夜久さんや近くで聞いていたメンバーまでもが固まる。
当の本人は気にもせず、ドリンクを飲み干していた。

「何やってんだよ、休憩終わるぞー」
「は、はい!」

ざわざわとコートに戻る皆を見送り、片付けを始める。
ヤキモチって、そういうことだよね・・・?
くすぐったい気持ちに覆われて、もっていたタオルに顔を埋めた。





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