「行っちゃった・・・」 犬岡は2人の背中を見ながらぽつりとこぼした。 「翔陽、おれ1人で大丈夫だからそれ置いといていいよ」 「わかった。・・・けどなんだったんだ?あれ」 「多分・・・場所が悪かった」 「場所?」 研磨の呟きに日向が聞き返す。 「おれたちの寝る部屋に、奈月がいて欲しくなかったんじゃない」 「えー、そんなもんかあ?」 「確かに黒尾さん、秋原さんに対しては過保護だし」 「過保護というより・・・嫉妬・・・」 「なになに?あのトサカ頭の主将とマネさんってなんかあんの!?」 「トサカ頭って・・・」 「あははは、黒尾さん知ったら怒りそう」 「い、言うなよー!?」 (クロって独占欲強そうだしなぁ) 犬岡と日向を横目に、研磨はひとり小さく溜め息を吐いた。 |