食事の準備はマネージャーたちの仕事だ。
各校のマネージャーたちが食堂に集まって、共同で夕食作り。
そこで初めてマネージャー全員と顔を合わせたのだが、自然と会話は部員の男子たちの話に。
誰がイケメンだとか、強そうに見えて実は内面は・・・とか、だんだんかわいく見えてくるんだとか。
各校の美人マネさんたちを眺めながら、その話を楽しく聞いていた。

「そういえば奈月ちゃんは」
「はい?」

潔子さんがこっそり話しかけてきた。仁花ちゃんが気付いてこちらを見ている。

「主将とはどうなったの?」
「な、な!」
「もしかしてもう付き合ってるとか!」
「えっと・・・」

”付き合ってる”

その言葉が妙に引っかかって一気にトーンダウンすれば、それを不審に思って烏野の2人はまたも顔を見合わせた。

「ねえ仁花ちゃん、両思いと付き合ってるは違うよね?」
「うーん、確かに付き合ってれば両思いだけど、両思いな人が付き合ってるとは限らない・・・かな?」
「奈月ちゃんどうかした?」
「あ、大丈夫ですよ潔子さん。なんでもない、仁花ちゃんも気にしないで」
「はい・・・」

笑って誤魔化して、作業に集中する。

確かにあのとき確認したのは、お互いがお互いを好きということだけ。
それって恋人とは違うの?もしかして勝手に私が恋人だと思ってるだけだったら・・・
嫌な答えを振り払って、考えないことにした。





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