インハイ予選1日目。 私にとっては初となる公式戦。 ・・・そして、もしかしたら先輩たちにとっては最後かもしれない公式戦。 「俺達は血液だ 滞りなく流れろ」 何度も聞いたこの台詞も、もう残り何回かなのだろう。 円陣を組み、気合を入れて、出陣の準備が整った。 黒尾先輩にそっと声をかける。 「私はあまり上手いことは言えないですが・・・頑張ってください!」 「任せろ。俺がお前を全国に連れてってやる」 いつになく真剣な表情と声。 頭にポンと手をおいてから、先輩はコートへと入って行った。 黒尾先輩の鮮やかなレシーブやブロックに相変わらず目を奪われる。 (かっこいい・・・) 手に汗を握る。 みんなが真剣だ。 1点1点に一喜一憂して、そして・・・ 勝利を告げるホイッスルが鳴り響く。 「おっしゃー!」 「やった!」 1日目は危なげなく勝ち進むことができた。 音駒の本領がきちんと発揮できている。 猫又監督もいつも以上ににこにこしている。 みんなの調子も良さそうだ。 そして、2日目が始まる。 |