「あがっていいよ」 「お邪魔しまーす」 初、研磨くんのお家。 中学生になるくらいまでは、男の子の家でみんなでゲームなんてしょっちゅうしてたけど、そういえば高校になってからは一度もない。まあ当然ではあるが。 なかなかクリア出来なかったクエストも、二人でやれば難なくクリアできた。 ストーリーを進めていると、唐突に研磨くんが話し出す。 「なっちゃんはさ、告白しないの?」 「えっ、なんでそれを・・・あっ」 またも自滅してしまった。項垂れる自分を見て研磨くんがくすりと笑う。 「なっちゃん分かりやすい」 「そんなぁ」 りっちゃんも研磨くんも、なぜそんなに人の心が読めるのか・・・いや、私があからさま過ぎるのか。 あれ、だとしたらまさか先輩も・・・ 「今回の件はおさまったみたいだけどさ、クロってあれで結構モテるから・・・また同じようなことになるかもしれない」 「うん」 「考えられる解決方法は・・・」 「解決方法は?」 研磨くんは一瞬だけこちらをちらりと見て、また画面に向き直る。 「クロが彼女作ることだと思うんだよね」 「先輩に、彼女・・・」 「もし、なっちゃんじゃない子が彼女になったとして・・・それでいいの?」 「それは嫌っ!」 「何もしないうちに、彼女できてましたってなったら後悔するんじゃないかな」 「そうだね・・・」 今まであまり考えて来なかったその可能性。 確かに前回は振っていたけど、次もそうだとは限らない。 先輩の隣にいるのは私でありたい! 「ありがとう研磨くん」 「頑張ってね」 「うん!」 |