早朝にも関わらず、玄関に感じる人影。 それを確認した黒尾は、彼女たちの前まで出て行った。 「そこ、奈月の靴箱なんだけどさ、間違えてない?」 苛立ちが隠しきれない笑顔に、硬直する3人組。 威圧モード全開のバレー部員を目の前に、件の女子たちは怯えるのだった。 「・・・じゃあ、うまくいったんだ」 「おう。これでもまだ手出しするようなら逆に感心する」 部活開始前の部室にて。 話題はもっぱら朝の大立ち回りについてだった。 リエーフと夜久が口を挟む。 「すごかったっすよ、黒尾さん」 「ほんと、殺気が半端なかったよな」 「ふうん・・・」 「ま、次はあのお嬢さんにも話を聞かないとな」 どうやらまだ終わりではないらしい。 黒尾の怒りも分からないでもないが、予想される出来事に対して研磨は、内心で奈月のほうに同情するのだった。 (なっちゃん・・・がんばれ・・・) 「おし、じゃあインターハイ目前だ、練習すんぞ!」 「「はい!!」」 |