予想以上だった。
広間にごった返す人、人、人。最盛期のモードゥナとかそれ以上の混み具合。
そして、そのほとんどが瀕死だ。

「これは・・・回復のし甲斐がありそうですね!」
「本当ね。とりあえず範囲回復がきくかやってみましょう」

人混みの真ん中に二人で立つ。顔を見合わせて二人して詠唱を開始する。
周囲を包み込む柔らかい風。あたりの人々の体力が全快するのが目に見える。
一般人はそんなに体力多くないようだ。やはりあの将軍が特別なのだろうか。

風が届いた範囲の人たちがどんどん目を覚ます。何事もなかったかのように起き上がり、あたりをきょろきょろと見回している。己の置かれた状況の判断がつかないようだ。無理もない。

「よしっ、いけますね!」
「ジェイド、私達二人で手分けしてどんどん回復していくから、整理をお願い」
「分かりました。・・・聞いた通りだ。患者をなるべく固めて、治癒した者と接触しないように誘導しろ。フリングス将軍、この場は任せます」
「えぇ、病院のほうを頼みます」
「行きますよ、メリー」
「エミリア、出し惜しみはナシでね」
「もちろんです!皆さん、再感染してもまた回復すれば大丈夫ですから安心してくださいねー」

エミリアの声を背中に、ジェイドとともに次の場所へと急いだ。



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