手始めに魔法を一発打ち込むが、さすが中ボスとあっては一撃死はないらしい。 二発目の詠唱に入るが・・・ 「ジェイド!3歩右へ」 すぐさま詠唱を中断して移動する。 すると先ほどまでいた場所へ、大きな水の塊が落ちてきて弾けた。 なるほど、彼らにはそれが分かるのか。 「慈悲深き氷霊にて、清冽なる棺に眠れ、フリジットコフィン!」 敵に命中した瞬間、蛙がこちらを向いたような気がした。 メリーとエミリアは、器用にちょくちょく動き、敵の攻撃を避けながら魔法を詠唱している。 彼女は私の術が高威力だと言うが、彼女たちは圧倒的に詠唱速度が早い。 長くても3秒程度、即発動のものもあるようだ。 つまり走りながら魔法を撃つことができる。 それは圧倒的な利点だと考えていた。 「断罪の剣よ、七光の輝きを持ちて降り注げ、プリズムソード!」 光の剣が敵を貫くと、大蛙は倒れ、消えていった。 「・・・半端ねぇな」 「いえいえ、ちょっと大盤振る舞いしすぎまして、TPが枯れてしまいそうです」 「TP?魔法でTPを使うの?」 「技でも術でもTPを消費しますよ」 「そうなの、じゃあ次からビエルゴ貴方にまわすわね」 「ビエルゴというのは?」 「占星術師が使うカードのひとつよ。TP回復効果があるの、まぁ6種類から引けたらだけどね」 back * top |