「まぁ、手伝ってもらっておいてこちらの情報を一切出さないというのもフェアではありませんね」

通路を移動しながら言う。
敵がさくさくと倒れていくので、随分と余裕があるのだった。

「何が聞きたいですか?」

リーダーが横目でメリーを見る。彼女が一言、どうぞと言うと彼も口を開いた。

「その魔法はどういうものなんだ?」
「譜術は、大気中の音素を取り入れて発動させます。音素には7つの種類があり、どの音素の適性があるかは人によりますが、適性がなければその属性は操れません」
「7つ?へぇー」

驚くメリーに答えを返す。

「地水火風光闇音の7つですよ」
「なるほど、おもしろいわね。エオルゼアでは地水火風に氷雷で6つよ」
「ふむ、こちらでは氷と雷が別個なのですね。音素では氷は水属性の一部、雷は風属性の一部です」
「雷が風?なんか変わってますねー」

雑魚敵が現れては倒し、進んでゆく。

「そういえば、私のことをセブンスフォニマーかと言っていたわよね」
「えぇ。7番目に発見された音の音素を操れる人は、治癒術を使うことが出来るんです」
「それで第七譜術士、なるほどね」
「残念ながら私には素質がありません。メリーやエミリアさんは治癒術を使っていますね」
「はいです!」
「他にも風や土の属性の素質があるようで」
「それは逆だわ。彼女は白魔道士だけど、その根幹となるのは幻術という魔法なの。幻術は、自然から力を借りて使う。土、風、水という自然の力を得て幻術士となるの」
「なるほど。ある程度は訓練により扱える属性が増えるということでしょうか、それは羨ましいことです」
「努力次第ってやつですね、えへへ」
「エミリアは頑張ったものね、何度も何度もワイプして私に弟子入りして・・・」
「わーっ、それは勘弁してくださいよぅ」
「おや、お弟子さんでしたか」
「メリーさんはほんとに何でも出来るんですよ!それは冒険者の中でもかなり少ないんです」
「ほうほう」
「勿体無いよなぁ、動き方が分かってるやつが火力職になったほうが無駄がないのに」
「・・・ビル?」
「あ、いや、あぁ悪かったよって、だから強化オシュオンは勘弁して・・・」



広間の前までたどりつく。
中央に、大きな蛙が鎮座している。

「いわゆる中ボスね。さっきも言ったけど、ジェイドは私の移動指示、リーダーはヘイト、エミリアは回復厚めを気を付ければ問題ないわ」
「わかりました」
「はい!」
「んじゃ、いくぞ」



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