高度を上げる。何やら集落が見えてきた。 キャンプ・ドラゴンヘッドよりも大きな集落。キャンプ・ファルコンネストというらしい。 一旦降り立って、再びエーテライトとの交感を済ませる。 彼女のほうを見れば、何やら通り過ぎてきた門を見上げていた。 視線の先に目をやれば、何やら新しいレリーフが飾られている。 「人と竜との和平の証よ」 「和平ですか?」 「そう、聖竜の一派とね。邪竜のほうは、私たちが倒したわ」 「竜にも派閥があるのですね」 「そうなの、全ての人が一枚岩ではないように、竜もまた・・・同じよね」 彼女の言葉が心に残る。 経験からの言葉なのか、随分重たく感じられた。 「さぁ、行きましょう」 チョコボに乗って風を切る。 地面を走るより揺れが少なく快適かもしれない。 眼下に見えるのはずっと氷ばかり。 クルザス中央高地は雪だったが、西部高地は氷だ。 気温もこちらの方が低いのが肌で感じられる。 川の水面も凍りついているようだ。 そして中央高地ともうひとつ違う点・・・ 魔物が明らかに強い。 何故かはわからないが、強いということがはっきりとわかる。 彼らの視界の上を飛べるチョコボは、そういう意味でも優秀だった。 しばらくの時間が過ぎる。 少しずつ周りの風景は変わってくるが、まだ氷の土地を抜けるのは先のようだ。 「あっちの方向に見える山の向こうがドラヴァニアよ」 「今日はあそこまで行くのですか?」 「そうよ。時間的には余裕があると思うわ」 「そのようですね」 「だけど疲れてない?しばらくチョコボに乗りっぱなしだけど」 「問題ありませんよ。むしろ快適です」 「さすがだわ。酔ってしまう人もたまにいるのよね」 back * top |