随分と高低差のある街、それが第一印象だった。 高い塔が立ち並ぶが、ここの一番下の層にも人が暮らしている。 それがいわゆる貧民であることは容易に見て取れた。 彼女がエーテライトまで誘導する。 交感を終えると、街を上る。 「細かい都市内エーテライトは今回はパス。観光するほどは時間ないけど、だいたいで良かったら教えるわ」 大きな館は四大名家の屋敷、建国十二騎士像、大聖堂に教皇庁。 グリダニアと比べても、宗教色が濃いのが見て取れる。 それほどまでに影響のあっただろう教皇が倒れ、竜との戦争も終わったばかりだというのに、国は活気に溢れていた。 どうやら戦争が終わった安堵がそうさせているようだ。 スカイスチール機工房の横を通り、小さめな門をくぐる。 そこから伸びた足場は途中までしかなく、雲海へ落ちてしまいそうな不安定さだ。 危なっかしい足場の近くまで寄った彼女は、チョコボを呼び出した。 「さぁ乗って」 「正気ですか?メリー」 「問題ないわ。さあ早く」 どう見ても道などないが、不思議な力でもあるのか・・・。 腹を決めて、赤いチョコボに跨る。 彼女の手が私の腕を引っ張り、彼女の腰に手を回す形になる。 「おやおや、大胆ですね」 「茶化さないで、落っこちても知らないわよ」 そう言うが否や手綱を引いて、二人を乗せたチョコボは大きくジャンプした。 落ちる・・・!と身構えるが、身体は宙に浮いたまま。 チョコボが必死で羽ばたいている。動作の大きさの割には安定した飛行だ。 「これは・・・」 「驚いたかしら?」 「えぇ。ですが飛べるなら最初から飛んで来れば良かったのでは?」 「出来るなら勿論そうしてるわ。簡単に言えば、許可されていないのよ。ここから先はずっと飛べるから、ここの寒さにさえ耐えれば距離は大したことないわ」 back * top |