「ラーハーーくーーーん!!!」


静かな星見の間に、突如として響き渡った声。
フードを外した彼は、慌てた耳の動きがよく見える。

「ど、どうしたんだ、一体。しかも今までそんな呼び方したことなかっただろう?」
「呼び方はクルル先輩のマネです!」
「そ、そうか・・・。ところで何が」
「これです!これ!いい物もらったんだ、見てよ!!」

赤い耳と尻尾がひょこっと動く、小さなかわいらしいマメットがそこにいた。

「・・・待て、待ってくれ。何がどうしてそうなった・・・?」

混乱するグ・ラハをよそに、その愛らしいマメットを抱え上げた。むぎゅう。

「タタルさんが、探索費用を稼ぐために作ったらしいんだ〜」
「い、いやおかしいだろ、私はタタルとは面識がなかったし・・・」

心当たりを次々と挙げるグ・ラハを眺めながら、マメットの頭を撫でてやる。それを見た彼は困ったように微笑んだ。

「めっちゃかわいいから、これからはあんまり遠くに行けないラハくんの代わりにこの子連れて旅するね」
「そ、そうか、私の代わりに君を支える存在になってくれればいいが・・・」
「じゃあライナにも見せに行ってくるね!」
「あぁ・・・いや、えっ、ちょっと待ってくれ!」
「ダメ?」
「いや・・・ダメ、ではないのだが・・・」
「大丈夫大丈夫、ライナも可愛がってくれるよ、ね!」

そう言って彼女はミニオンの頬にキスをした。ミニオンのモチーフである彼は、真っ赤になってへたりこむしかなかったが、幸いにもそのまま部屋を出て行った彼女の目には入らなかった。

「何だったんだ、本当に・・・」

顔が熱くて仕方がないのは気付かないことにした。



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