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※18禁小説注意
※今回は後天性女体化で書かせていただきました


 佐久間の変化は、練習をしているときに既に気が付いていた。変化と言うよりは違和感にも思えるそれは、佐久間自身気が付いていないものであったのかも知れない。いつもよりも汗の量が多く、苦しそうに呼吸を繰り返している。体調不良かとも思い、軽い舌打ちをした。上手く完成しない禁断の技は佐久間の体を確実に蝕んでいる。ここで倒れられては入念に組んだ計画が水の泡である。練習後、文句の一つでもぶつけてやろうかとシャワールームへ消えていった佐久間の跡を追う。不動が近付いていくと視界一杯に靄が広がっていた。
異常なほどに発生している蒸気の中を進み、個室になっているシャワールームへ入ろうと取っ手に指をかける。その瞬間中で何か固い物が落ちる音がした。異常事態が雰囲気から伝わる。一気に扉を開けて中へ侵入すると、ずぶ濡れになった佐久間がへたり込んでいるところだった。先程の音はシャワーを落とした音らしく、足下を熱い湯が濡らしてくる。浅い息を繰り返す佐久間は不動を見上げる気力も残っていないのか、俯いたままである。

「おい、立て」
 その言葉に素直に従おうとするが、力が入らないらしく叶わない。二度目の舌打ちをした不動は服が濡れるのも構わず佐久間の腕を掴み、自分の首に巻かせるとその体を支えるようにして立った。佐久間の驚愕の瞳が不動に向く。

「一応お前は切り札なんだよ」
 そのまま脱衣所へ移動させ、体を拭う。バスタオルを体に巻いたまま、そのシャワールームの近くにある不動の部屋に移動させた。ここにこんな状態の佐久間を寝かせておくと、後々源田が来て大騒ぎになることを不動は煩わしく思ったのだ。持ってきてあった着替えを佐久間の上へ放り投げる。それを着る気力もないらしい佐久間は、力なくベッドの端から手をだらんと垂らしていた。不動は考えた末、様子を見ることに決めた。空調は利いている。寒すぎることはないだろう。念のため部屋の温度を上げてシャワールームへ向かう。帰ってくるころには回復して自室へ戻るだろうと思いながら。

 不動がシャワーを終えて脱衣所を出たとき、複数の作業員を連れた影山と行き違った。その瞬間、口角を上げた影山は不動に言葉を投げかけた。

「あとで報告に来い」
 それだけ告げて去っていく後ろ姿を眺めながら、何のことかと不穏に思う。その足で自室へ戻ったとき、佐久間は未だベッドに横たわっていた。先程よりも荒い息をしていた彼は入ってきた不動を見上げて、赤い顔を更に火照らせた。

「不動……」
 熱を帯びた声に目を細めた不動は相手の変化に気が付く。体のラインが明らかにおかしい。

「おまえ……その、体……」
「熱いんだ……助けてくれ……」
 変声期を終えていない佐久間の声だが、いつものそれよりも幾分高くなっていた。大股で近付いていった不動は佐久間の上にかかっていたシーツを取り去る。そこに現れたのは女の形をした体である。ふくよかになった体、主張する、形の良い乳房、丸い腰のライン。不動は先程擦れ違った影山の言葉を思い出していた。何の実験かは分からないが、これが滞っている禁断の技への鍵になるとでも言うのだろうか。否、佐久間に精神的苦痛を味わわせて、より従順にするのが目的なのかも知れない。
 乾ききっていない髪が上気した頬に張り付いている。

「不動……」
 その声に眉を寄せた不動は、佐久間の両足を割った。ピンク色に染まる箇所には、入り口と出口が揃っている。本格的に状況を理解した不動は懇願するような瞳の佐久間を見下ろした。この状況を楽しめるかと言ったらそうもいかない。影山の手の平で躍らされるのは癪である。しかし佐久間は細い腕を伸ばして苦しそうに喘いでいる。媚薬でも盛られたのだろうか。入り口は僅かに濡れている。濃い香りを、少し暑い部屋に充満させている佐久間に、クラクラと眩暈を起こしそうだった。気付いた瞬間、不動はその入り口に手をあてがっていた。
 いつもとは違う場所をまさぐる。容易に指を受け入れたそこはひくつき、貪欲に吸い付いてきた。充分に濡れて、溢れてきている液を指に絡ませると、挿れる本数を増やしていく。指戯だけで甘い吐息を発している佐久間は瞳を濡らしていた。扇情的なその姿に誘われるように、二つの乳房に手を伸ばした不動がそこを刺激する。物足りなさそうにしている佐久間は自ら下半身に指を挿れ込んでいる。

「女になっても淫乱ってわけか。売女」
「ひっぁあ……」
 その指を引き抜き、両膝を持った不動はその陰に唇を寄せる。二つの箇所を舐め上げ、女陰の方に舌頭を侵入させると、仰け反った佐久間が高い声を漏らす。

「やぁああっ……ふど……も……早く、ちょうだい……」
 粘着質な音の後に、不動がそこを吸い取る。大きく息を吐いた佐久間の唇に、今含んだものを流し込む。苦い口づけの合間に、不動は嘲笑を落とす。

「このまま挿れたら、ガキはできると思うか?」
「っふ、っ……」
 貪欲に求めてくる佐久間に言葉は通じていないのかも知れない。下半身に指を沿わせた佐久間が恍惚の表情を示す。恐らく薬なのか何なのか、この作用は一時的である。不動の精子はしばらくすれば佐久間の中で死滅するだろう。そんな現実的なことを考えていた不動は、佐久間にそれを気付かれ、唇を軽く噛まれた。相手を押し倒した不動は太股へ指を滑らせると、入り口へ自身を宛がう。

「!!っああ、あ、……ん!」
 不動のものが侵入してくる。一番弱い所同士が結合している。襞をかき分け、入ってくるものの感覚に佐久間は身をよじらせる。汚されていると、犯されているのだと思考すればするほど、己の奥に潜むマゾヒズムな部分が疼き、歓喜している。その奥で、純潔が破られる感覚がして、その印がじわりと溢れ出た。濃厚な香りが重なり、罪の意識が一層強まった。膜を破った感覚に打ち震える箇所を奥まで侵入させる。

「は、はあっはあっ……はぁっ……」
 歓喜の吐息を漏らし続ける佐久間はシーツを握りしめ、身もだえている。娼婦のように下半身を締め付けてくる佐久間に、不動の強靱な理性も崩れていった。

 長い時間の間に、佐久間が失神するまで犯し続けた不動は、疲れ切った相手の表情を見下ろしていた。汗が胸の間を通っていく。髪が顔や肩に張り付いている。それを剥がして下半身へ目を向けると、その有様に自分への呆れを感じた。獣のように佐久間を抱いた痕跡が残っている。未だ正常な体に戻らない佐久間の女陰へ触れた不動は、絡み付く精子の固まりに嘲笑を漏らした。


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