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※18禁小説注意





「足を開いて」
 佐久間にはもう、抵抗する気力も残ってはいなかった。今彼がどんな表情をして、自分がどんな風に映っているのか、目隠しをされた状態では到底分からなかった。後ろで手を縛られ、壁に追いやられている佐久間は暗闇広がる中で、残酷なその男の声だけを頼りにするより他なかったのだ。すごすごと足を開き始めるが、僅か太股が震えた。こんな状況でも抵抗する理性というものがなければ、佐久間はもっと楽に生きることができるのだろう。
「早くしないと、またこのまま放置するぞ」
「ふっ、んっっ」
 菊座に深く入り込んでいるものが振動し始める。すっかりほぐれきってだらしなく精液やらを垂れ流している下腹部に、新たに雫が落ちていく。体の柔らかさを利用して、足を開ききった佐久間は、相手の視線が分からない状況下で逆に羞恥心を募らせていった。早く解放されたい。

「女のみたいになってる」
 入り口を指で撫でられ、思わず足を閉じてしまいそうになるのを耐えて荒い息を吐き出す。猛獣としてしつけをされているような屈辱的な感覚がして、苦虫を噛む。
「こんなに柔らかい。佐久間ははしたないな」

 至極愉しそうに言い放ちつつ、バイブについている紐を弄んでは出すか出さないかの攻め方をしてくる。鈍い刺激は肝心な部分に届かない。達したいのに出せない状況に、意識は遠のいていっては、源田の手に引き戻される。

「知ってるか佐久間。男が女に貞操帯つけてた時代、その合い鍵作る職人が大繁盛したそうだ。操をたてるのも人間には難しいんだな」
「ぁっ、あぁっ……!」
 質量が抜き去られてから、物足りなそうに疼く内部。その入り口に濡れた感覚がして佐久間は息を呑んだ。わざとらしいリップ音を響かせながら、源田が佐久間のそこを舐めている。溜まってしまった内部の液を吸い出すような感覚に、息遣いを一層高くする。端々にもれる声は時折、少女のように高くなった。

「貞操帯なんて無駄だからつけない。でも佐久間が向こうへ行っている間、俺は気が気じゃないんだ。許してくれよ」
 これは真っ当な調教であると、恋人に自分以外の者を寄せ付けないための儀式であると、そんなことを言いたげに挿入を開始した源田は、時間をかけてゆっくりと、佐久間の中を自分の形にするかのように抱き続けた。意識が飛んでは引き戻され、そんな形で丸一日以上源田の腕の中にいた佐久間はぐったりと、呼吸をする人形のようになっていた。

「愛してる佐久間、どうか俺を裏切らないでくれ」
 やっと外された目隠しの先、映ったのは優しい仮面をつけた、嫉妬深い恋人であった。


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