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※佐久間が後天性女体化しています
※性描写を含みますので18歳未満の方の観覧はご遠慮下さい




 いつもとは違う感覚に素肌が粟立っていく。猟奇的な色を含んだ瞳を向けながら、自分の肌を貪る相手を見つめることも出来ず、佐久間は脚を震わせた。細く筋張った指が胸を刺激し、その緩やかで確かな高揚に佐久間の唇からは吐息が漏れた。容赦なく通る舌の軌跡が、空気に触れてひんやりと冷えていく。対をなすように触れ合っている部分だけが異様な熱を帯びていた。

「美しいですね」
 うっとりと見下ろしながら、艶美な唇を弧にしたビヨンが佐久間の頬を指先でなぞる。下腹部の疼きに余裕を無くしている佐久間は、恨めしそうにその言葉を放つ相手を睨んだ。勝手の違う体は貪欲に快感を求める。女である身は男を渇望し、意思とは裏腹に相手を受け入れるのである。愛液で満たされる膣に彼の指が挿入されていく。入り込む異物を呑み込み、悦ばしげに蠢く内部にビヨンは笑みを深めた。無理矢理に拓かせた体は今、熟れきって自分を欲するまでになっている。愛おしさのまま唇を奪い、指を巧みに使って強情な口を開け、舌頭を絡ませる。くぐもった声が一層情欲を加速させる。

「んん、ふ、っ……」
 細く弾力的な肌が心地好い。体の柔らかさは変わらないまでも、手触りばかりはやはり、男女間で大きく異なる。易々と数本の指を受け入れた場所の疼きを感じながら、ビヨンは自身をその場所に入れ込む。ずるずると容易に入り込んでいく部分が、内部の襞と呼応し、行き詰まるほどの快感へと変換されていく。柔らかい膣の感触に恍惚の溜息を漏らしながら、ビヨンは容赦なく内部を抉り続ける。

「ひあっあっ、……ぁあ……」
 高い声には確かに甘えのようなトーンが含まれており、益々ビヨンの征服欲を刺激する。佐久間の脚を掴み、確かめるように何度も打ち付ければ、二人の間には雄と雌の本能だけが剥き出しになる。花のような唇から絶え間なく嬌声があがり、肌と肌の触れ合う音が呼応するように聞こえてくる。旺盛な性欲はこの美しい人の前で更に高まり、ビヨンの中には制御できないほどの愛欲が渦巻いていた。

「このまま、一晩中交わっていれば、あなたは私の子を孕むかも知れませんね」
 その嘲弄も、余裕を欠いている佐久間には届かない。弱い部分を突かれ続け、思考がショートしている佐久間はただ、誘うような声を放ち続けている。

「そうしたら、あなたを生涯独占できる」
 衝動が体を揺さぶる。泣きそうな声を出しながら、佐久間は体を強張らせる。高まった緊張の後に弛緩した佐久間は、いまだ自分の中で蠢く相手に驚愕した。あろう事か佐久間の中で果てたビヨンは、強張った相手の頬や額に口付ける。うっすらと香る汗の匂いが、おさまりきらぬ性欲を増長させる。

「おま……なか、に……」
「このまま妊娠すれば、男に戻らないかもしれませんよ」
「やめ……」
 佐久間の口を塞ぎ、抵抗を容易にねじ伏せたビヨンは、絶望的なその瞳を見つめながら腰を進める。本能で繋がる内部は相変わらず、意思と反してビヨンを締め付けた。

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