カシャンカシャン。バラバラバラバラ。

『カイジさん、それですロン』

『ククク、宇海、頭ハネだ』

『ふざけんなよお前ら!』

真っ昼間っから人の家に入り浸っているこの3人。
元々零くんの勉強を見てあげる予定だったのに、どういう訳だか3人仲良くやってきた。(まぁ、カイジくんは引きずられてきたっぽいけど)

「なんで麻雀のありかを知っていたのかな?」

押し入れの置くに眠らせて置いたはずの古ぼけた麻雀牌。
今は亡き彼の形見であるそれを、こいつらは意図も簡単に引っ張り出してきた。ひっくり返したテーブルの裏が雀卓になっているなんて話はもちろん一言もしていない。誰なのよリサーチかけたの。

『なまえさんもやりましょうよ!』

『あんた、麻雀出来るの?』

『いやいや、家にあんだから出来るだろ!なぁなまえ?』

麦茶を入れたコップをそれぞれに配りながら空いている席に座る。

「1回だけだからね」

ため息を尽きながらジャラジャラとかき回す感覚が懐かしくもあり、同時に寂しくも感じた。

(ほう、意外だな)
(てかなまえさん凄い強くない?)
(なんで俺ばっかなんだよ!)
(まだまだ捨てたもんじゃないなぁ)

【おもいおもわれ牌】