memo | ナノ



2011/02/11


【至宝の光を持つ少女】
折原臨也は人間だ。そんなこと知っている。はじめから、百も承知だ。わたしはあの人のことを全知全能の神だと思ったことなど一度たりとてない。光の御使いだとも、ましてや悪魔だと思ったこともない。あの人は人間なのだ。だからあの人のすべてが正しいわけではないことも、あの人の言葉が真実ばかりではないことも、ちゃんと知っている。知った上で、わたしはあの人を信じている。あの人の謳う愛を信じている。あの人は人間で、神でも天使でも悪魔でもないけれど、わたしにとってあの人は、揺るぎなくかみさまなのだ。あの人の言葉が指先が体温が、わたしを救ってくれる。生かしてくれる。あの人がわたしにとっての救いであり続ける限り、わたしの世界のかみさまは、折原臨也という人なのだ。わたしのこれは単なる盲信に過ぎないのだと、そう言われたことがある。わたしはあの人を愛しているわけではないと。もしかしたらそうなのかもしれない。わたしの信じる愛は、正しい愛ではないのかもしれない。けれどじゃあ、正しい愛とはどんなものなのかしら。誰が定めた枠なのかしら。その正しい愛の定義に適わなければ、それは愛ではないとでも?ならばわたしはそれでいい。他人にとって、そしてあの人にとって、わたしの愛が愛でないというならば、もうそれでいい。それでもわたしはあの人を愛していると信じ続ける。信じることは愛だ。愛しているから信じることができるのだ。ならば信仰は愛だ。わたしはわたしのかみさまを、人間である折原臨也を、心底から愛している。



第二部【愛の響きを持つ少女】第三部【たったひとつを持つ少女】
続き書けたらここに載せます。





 

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