大人になるってどういう事だろうね。
無邪気さを失うという事なら世の中の子供は全員無邪気という事になる。そんな言葉で括るのは勘弁してくれベイビー。
女の匂いを含ませた少女。
白いブラウスを風になびかせて居ただけのあの頃のままでは、退屈で堪らない。
日に焼けていた肌を白く変えて、真っ赤な紅を引き惑いを惹く。
成長を待ち望んでいた体は、老いを恐れ始めるんだ。
大人になるってどういう事だろうね。
若さゆえの間違いを繰り返してきた体はある程度の対処を知っていて、だからこそ刺激を求めてる。
めちゃくちゃにして。ここまで積み上げた全てを、人差し指でちょいと突いてくださいな。
永遠の美しい人と哀しい逃亡物語。そんな夢に魅せられ、目を開けば何か大きな現実が襲いかかろうとしている。
思わずそこから逃げたいと思っても、仕方がない。
君がそこに至った理由はなんだろうね。
燃え上がる様な一瞬と、溜め息をついてしまう怠惰の毎日で、それはきっとやってくる。
助けてって言った君が自然と救われていった様に。
彼女はそこにいる。
彼かもしれない。
いいや、君がもしかしたら彼なのかもしれないね。
助けてくださいも発音出来ずに、じっとりと見てくるはずだ。
すっかり縮こまった彼の舌に期待して通り過ぎるのも罪ではない。
自分は軟弱だから、なんて理由にするのもいい逃げ腰だ。
大人にもしなったら、わかるはず。
なれていないのなら、君はまだ舌を持たない彼のまま。
されど、苦い味を味わうことも多いが、惹き寄せる少女の舌はこれからも色んな美味を知る。
大人になるってことの意味は、大人みんなの内緒だよ。
白線、その境界を今飛び越える、君へ。