オトシゴロ

※にょた西エロ
あんまり綺麗な話ではない

肌が白過ぎて黒い髪でやっと輪郭を保ってる様な少女。外じゃ何もかも拒む癖に一旦潜り込んでしまえば全部奪おうとしてくる少女。一番潔癖な年齢の筈だ、それなのにいち早く異性の味を知ってしまった少女。なのに自分を俺と呼ぶ少女。なのになのに矛盾だらけ。以上、俺が知ってる西のあれこれ。今流行ってるツンデレって奴ですか、聞けば何それと本気で怪訝な顔をされてしまった。俺だって知らねえよ。

「お前騎乗位好きだね」
「お前の長髪が邪魔なんだよ」
「お前だって長髪の癖に」
「お前の方が長い、し、邪魔」

嘘吐き女の西は明らかに見下ろす支配に酔っていた。腹の上のお姫様、にしちゃ足をがばりと開いて少しばかりお行儀が悪い。やっと付いてきた胸の脂肪もまだ年並み以下、下半身を擽る薄い陰毛、クラスの誰よりも初潮が早かったんだぜといつか自慢していたがこんなガリガリの身体の一体何処が脳下垂体のスイッチを押したと云うんだろう。一体俺はこいつの何処が良くてこんなことしてるんだろう。にんまり嘲笑って細くなる双眸は目つきについての評判の悪さを犠牲にしてとびきり妖艶で綺麗だった。ああ、だからか。お陰さまで全部解決。

「なあ」
「っあ、……なに」
「俺とお前の子どもが出来たら、きっととびきり美人だろうな」
「とびきり性格悪いけどな」
「はは、悪魔の子だ」

悪くないんじゃないか。云いながら、少しずつ律動を速くしていけばそれに合わせて甘える様に少し鼻にかかったあ行が絶え間なく呼吸と一緒に吐き出される。息も絶え絶えなぜってぇやだね、が聞こえた。

「何で」
「苦しむの誰だと思ってんだよ」
「……まぁ、それは」
「お前が腹ボテになってみろよ」
「それでも俺は構わないけど」
「はぁ?」
「着床させてよ、西」

人より早く神様から賜ったならその赤で今腰を置いてる場所を汚してみせて。どろどろした揺りかごのなり損ないで卵細胞を植え付けて。退化したって元々後ろ向きの愚行を繰り返す俺らにとっては何の問題もない筈だ。だから産まれるのはどうしたって悪魔の子だろう。とびきり美人で歪んだ性格に決まってる。

「!?っん、ばか、何考えて」
「悪い……ちょっと」
「変態!」
「お褒めに預かって、」
「あ、あ、駄目、いずみ、やだ」

体内の異物の異変に気付いた西は反射で一度腰を浮かせて、俺が無理やりまた元の位置に戻すと一際大きく鳴いた。未だ見たことのない西の中に宿る神秘が俺の腹を虐げるのを想像して不覚にも興奮してしまっていたから、俺は誤魔化す様に西を快楽に突き落としてそれから自分も続く。実は女が苦手と云うのも西を許せる理由なのかも知れない。無い胸は揺れない。乱れるのは下半身の薄いそれと同じ色した長い濡れ羽色、それに息遣いだけ。何もかもが色をなくして声が途切れたのはほぼ同時だった。確かに長髪は邪魔だなと、西の向かって右寄りの分け目で掻き分ける。

「……残念だけど着床できない。できない相談だから」
「馬鹿か、そんなの只の冗だ」
「だって俺、来ねぇんだもん」
「──え?」



「二ヶ月来てねぇの、生理」



うふふ、どうする?
笑う西の双眸はやっぱりあらゆる犠牲を払って尚妖艶で綺麗だった。ああ、だからか。お陰さまで全部解決。もうとっくに悪魔は西の中に寄生していたのか、そろそろ産み落とす頃なのか。


(101007)


すみませんとしか云い様がない





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