短くてやおいなやつ

※西受けじゃないのもある


(坂田と桜井)

バケモノと呼ばれる仲間が欲しかった訳でもないし況してやひけらかしたかった訳でもない。ただ死ぬくらいならと思った。世の中にはなくして構わない命とそうじゃない命があると、お前より少しだけ長けた経験を教えたかっただけだ。お前は後者だと。

「師匠」
「だぁら、そう呼ぶ、なっつの」

アホみたいだろ。
なんかそいつに似た政治家いたなぁなんて思いながら目を閉じる。だからもう俺を見るな桜井。その馬鹿みたいに綺麗な目で希望だけ見てろ。俺は怖かったよ、そこに自分が映るのは。自分の目が映るのは。人が死んでいい気になってたなんてさぞかし濁った醜悪な瞳だろう。お前は最後までそうしなかった。ずっとずっと悔いていた。なあ俺がもう少し清廉だったら。お前がもう少し薄汚かったら。サングラスなんて取ってちゃんと目を見て話せたかもなあ。

「ししょ」
「うん」
「しなないで、」
「勝手に殺すな」

バケモノと呼ばれても超能力者とちやほやされなくても良いんだ。おぞましい俺をそう思ってくれる奴がお前で果報者だ。こんな色をしていたんだなと頭を撫でる。俺の希望はすっかり赤くなった目で、笑った。



(玄野)27巻ネタ

(脱力+絶望+諦念。誰かの覚めない夢の人物になってしまいましたしかし誰かは知っているので云い方を間違えたと今気付きましただってみんなみんなあいつを知ってる、俺は俺の夢の人物の夢の人物になってしまった訳で。過程も年表もないあいつの為だけの既製品になってしまった訳で)

愛し合っていた恋人を思い出しました。そう過去系になるのがどうしても嫌で俺はあいつのちょっとエロいDVDで気を紛らわしたかった。すると初めてセックスをした行きずりの人を思い出しました。あいつの胸も同じ位柔らかそうで俺はあの時の代替行為がフラッシュバックしてとうとう昨夜何も出来なかった。代替元の友達のことを好きだったそして俺が好きだった子を思い出しました。彼女も今の俺と同じ気持ちだったとしたらあいつもいつかの俺と同じ気持ちなのだろうか。あいつは。あの人は。レイカ、は。


なんで俺なんか。


脱力足す絶望足す諦念、

(掛けるゼロ)

(イコール、ゼロ)



(田中→西)26巻

(冷たい手の頬杖)(床に垂れるマフラー)(わざと聞こえる程度の小さな笑い声)

「なぁ西」
「…………」
「机返せよ」
「…………」
「なぁ!」
「西ィ、返してやれよ」
「アタシだったらあの机、もう触れないけどねぇ」

(外野と内野の温度差)(一瞥もしない少年)(差し伸べられない手、もう一人の少年もまた)

「西」
「…………」
「無視すんな」
「止めとけよー田中、そいつ耳無いんじゃね」
「無いのは口かもよ」
「ははは」
「西、こないだ殴ったの謝るからさ」
「…………」
「教科書パクったの謝るからさ」
「田中ひでえな」
「そんなことしてたのぉ」
「るっせ」
「……あれお前だったの」
「!」
「別に良いけど」
「じゃ」
「お前頭悪いね」
「、え?」
「嫌いだからとかじゃないし、お前のが傍にあっただけだから。馬鹿話やる為に学校来てるお前らと違って、俺机無いと困るの」

(解った?)(二人だけに聞こえる程度の小声)(緩やかな頬の温度の上昇)(西本人にまで虐げられてる様な)(だったらもっと)

「もっ」
「……………」
「もう。無視したりしない!」
「!」
「…………から」

(少年が一番云いたかったこと)(謝りたかったこと)(羨ましかった)(眼前の子が羨ましかった)(罵声に耳を貸さない強さと組織に押し潰されない固さ)(ぴたりと止んだ嘲笑)(変わる教室の温度)(背信者をみる目多数)

「んなこと云っちゃっていいの」
「…………」
「田中くん、それマジ?」
「あーあ」
「あ、先生きた」

(始業する音)(戸が開く音)(教師の怪訝な顔)

「……西が……俺の机」

(変わらない悪態)(変わらない態度)(ただいつも盗み見ていた横顔が、今日は授業中ずっと何かを考えていた様だった)(執行猶予まであと五十分)(間)(間)(間)(終業する音)

「たぁ、なぁ、かぁ、くんっ」

(音を立てる机)(倒れる椅子と身体)(跡が見られない様腹を狙われて)(俺なんでこんなんなってんだっけ?)(タイミング良く囁かれる甘言)

「トモダチの西くんに助けて貰えば?」

(それがいけなかった)(西を見る)(かち合った目が云っていた)

(見返りを求めたな?)

「俺、職員室呼ばれてるから」

(逃げたと笑われても颯爽と教室を出る足と靡く髪)(羨ましかった)(懲りた?と掛かる圧力に耐えられず頷く首)(少年は立ち上がって机と椅子を取り戻す)(もう一人の少年の、僅かな動揺を知らずに)




(黒服)台本書き

參「コードネームを決めようと思うの」
壹「良い考えだ」
伍「動きやすくなるのか?」
參「じゃあ先ずあなたは"いっくん"」
壹「は?」
參「いっくん」
壹「…………」
參「復唱」
「「「「「いっくん」」」」」
參「因みに私は"さんちゃん"」
壹「…………」
參「どうしたの?復唱して」
「「「「「……さんちゃん」」」」」
參「あなたは"にーくん"」
貳「そこはかとなく人気がある中二病になりそうな気がするんだが」
參「いいの」
貳「解った」
參「はい復唱」
「「「「「にーくん」」」」」
參「あなたは"ろっくん"」
陸「…………」
參「はいろっくん」「「「「「ろっくん」」」」」
壹(すまない)
參「あなたは……"つよし"」
肆「えっ」
參「そんな感じがするわ」
肆「待てまだよんくんとかの」
參「つよし」
「「「「つよし」」」」
肆「……横暴だ」
壹貳伍(((すまない)))
參「最後はあなたね、"ごうくん"」
伍「良いだろう」
壹「待て」
參「どうしたのいっくん」
壹「ごうくんは俺だ」
伍「あんたはいっくんだろう」
壹「いやだって俺がご」
貳「把握した、そういうことは云うな」
壹「大体お前髪型ちょっと被ってるんだよ、調子に乗るのも大概にしろ」
肆「そうか?」
壹「黙れつよ四」
肆「このクラスではいじめが起きている」
參「とにかく決定よ。ごうくん」
「「「「ごうくん」」」」
壹「……ごうくん」
參「じゃあ各自ゴキブリ退治時にはこの名前を使う様に」
貳「俺たちワンマンだから特に使わないのにな」
伍「全くだ」



(玄レ)

「レイカはもし付き合うとしたらどんなタイプ?」
『ええと……優しい人かな。あと頼りになる人!』
「付き合ったら結婚まで考えてる?」
『うーん、好きになった人ならずっと一緒にいたいな。私だけじゃないと思う、そう思うの』
「子どもは欲しい?」
『え?あはは……どうだろ、まだそこまで考えてな』

「ただいま、玄野くん」
「おかえり」
「あ。また観てたの」
「これしか娯楽ないし」
「ごめん……つまんないよね、明日何か借りてくるよ。何が良い?」
「子ども」
「え?」
「今は子ども、欲しい?」
「……玄野くんは欲しい?」
「何で俺……欲しいよ」
「、」
「普通に結婚して普通に子ども作って鼻はお前似で目は俺似だーとか云って帰ってきたらおかえりお父さんとか云われたり反抗期にちょっと殴っちゃったりなんかしてイチヒメニタローつって下の子作ったら上が拗ねるから俺はそいつを抱き締めてお前のことすっげぇ大好きだよ愛してるよって、云ってやるんだ」
「…………」
「好きになった奴と一緒に」
「……ごめんなさい」
「怜花」
「……何?」
「愛してる」
「…………うん」
「でも一生許さないから」
「!うん!」

頷いた怜花は幸せそうに笑う。グラビアよりずっと綺麗だった。調子の良い奴。


(~110513)


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