僕は何故、ここに居るのか

―――“ゴッドイーター”になるためか

「長く待たせてすまない」

少し低めの声が部屋に響き渡る

「心の準備が出来たら、中央のケースの前に立ってくれ」

準備なんていらない

言われた通にケースの前に立ち、腕を伸ばす

途端にケースは僕の右腕を“捕食”した

『ぐ…』

ぐちゅりぐちゅりと音を立てて侵食され気持ちの良いとは言い難い感覚に思わず声を上げる

しかしこんなもの、戦争の悲惨さに比べればなんて事はない

自然と口元は自然と上がっていく。所謂笑顔

プシュっとケースが開くと僕の腕には赤い腕輪

その手に握られた武器。もとい“神機”

これからは剣や銃で人を殺すのでなく、神機でアラガミを消滅させる。それが僕の新しい仕事となる

――カショリ

すこし重い神機を試しに真上にかざしてみる

「おめでとう、君がこの支部初の“新型ゴッドイーター”だ。期待しているよ」

勝手な期待。僕には関係ないと言ってしまえば見も蓋もないことか

「次は適合後のメディカルチェックがまっている。それまで待合室にて待っていてくれたまえ。気分が優れないようなら、すぐに申し出るように」






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