回りのレベルの高さ以上
レッドが手元に置いてある雑誌を捲る
普段、ファッションなどに興味なくブルーやグリーンに押し付けられたものを着るようなものだ
そんな彼がファッション雑誌を見るなど珍しい
実際目に入ったから暇潰しに見ていた程度なのだが
するとレッドがあるページで手を止める
不思議に思いブルーは雑誌を覗き込んだ
「どうしたのレッド?」
「ん〜、ちょっとね」
そのページには今人気を集めている、男性タレントだ
CMにも何度も見て、クラスの女子は彼が出たドラマの話で盛り上がっているのをよく聞く
ブルーもドラマ自体は見ているが、これといってそのタレントのことは見ず、話を楽しんでいる
「オレ、この人見てもパッとしないんだけど。顔は整ってるしカッコイイと思うんだけど……なんか」
「あぁ〜、わからなくもないわね」
だってアタシも興味ないもの、と答えれば苦笑いされた
「なんか、グリーンの方がカッコイイし、モデルとかタレントっぽい」
「あぁ、それわかるわ」
「だろ?それにゴーやシルバーだって負けないくらいカッコいいし、ルビーもラルドだってモテるだろうし」
「そう言われると、女子の女優やアイドルよりもクリスの方が可愛いしスタイル良いし、イエローやサファイアだってすごく可愛いしね」
まるで芸能人の集まりのようだと思った
そういえばレッドも……とそちりを見れば彼もブルーを見つめていた
どうしたのかと首を傾げればまた可愛らしい笑顔を向けてきた
「ブルーも可愛いよな、女優みたいだし、てか絶対今人気の奴等より綺麗だよなぁ」
「あら、ありがと」
素直に喜んで、ブルーがまた何かを言おうとすると再びレッドの言葉で遮られる
「オレってこんな美形集団が友達ってラッキーだよな!!誰か芸能界デビューしたときサインもらお!!!」
そう言ってレッドは再び雑誌に目を戻してしまった
その姿に呆れたようにブルーは溜め息をつく
「(学園一モテるグリーンに負けず劣らずバレンタインやラブレター貰ってるのどこの誰よ)」
無自覚と言うか、自分を過小評価しているというか
もうちょっと自分に自信を持てば良いのにと思うことが多々ある
「(まっ、それでもいっか)」
結論付けて、ブルーはレッドの頭に手をやる
彼は慣れているが敢えてぎこちなく、なんですか、と尋ねてきた
それを、別に、と軽く流す
「(この子の本当の魅力はアタシ達が知ってるだけで十分よね)」
皆に見せびらかしたいけど、自分達だけで愛でていたい
なら、本当のかっこよさや可愛さ、美しさ、たくましさは自分達だけが
後の外面を皆が羨ましげに見ていれば良い
「秘蔵っ子ってことね」
ブルーの言葉にレッドは首を傾げるだけだった
図鑑所有者達は皆美人&イケメン
しかも色んな場面で成績が良い
芸能人だったら人気者だよね(確信)
今回は恋愛方面より友情
だがマサラ組は互いを愛でるのは通常運転