二度寝



目を覚ました。ぼやけた天井。なま暖かい布団。馴染みすぎた枕。朦朧とする意識。また、夜を待つのか。意味もなく、人肌を思い出そうとする。あちらこちら身体を擦る。だめだ。わかんない。だからため息。甲高い機械音。7時のアラーム。手探りで探す。うるさい短調。爪が当たる。パチり。音は消える。なんとなく寝返り。もう疲れた。鳥も鳴かない。なにもない。見慣れた空間。ひとり。散乱した衣類。折り合う紙類。枕の中の世界は地味だ。たどたどしい仕草。やっぱり天井を見つめる。目を腕で覆う。無気力。呼吸すら億劫。あー、なんて言う。しゃがれた声。頼りない。辛くてムセル。いっそ、このまま。楽になりたい。なんて考える。目を瞑る。思考が落ちる。気持ちが遠退く。やわらかな、微睡み。無音が心地いい。思考が、にぶる。楽に、なれる。その刹那。全てをつんざく悲鳴。現実を告げる音。スヌーズが笑う。いらいら。目が冴えた。迷わず音を止める。そうすれば余韻すらなくなった。残ったのは脱力感。どうやら俺は大人しく夜を待つことは許されなかったようだ。








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