text 3 | ナノ

愛は

愛があれば何でもできる便利な世の中らしい。

あれもこれもアイです。アイ故です。アイだよ、あれは。笑い合ったりキスしたり一線越えるのだって。怒ったり殴ったり殺したりするのだって。

アイは、形もないし色も匂いもないから、曖昧で不確かで厄介なものだが、こうしてあやふやに存在している。

都合のいいものなのです、愛は。

それにすがりつく私はその結晶だと、どうかお忘れなく。