うなじにキス


眠くないのに、疲れてないのに、もう、今日のところはお別れにしましょう。

眩む繁華街。まばゆい光に誘われて、集まった。私は取り分け胸が小さくて、背も低くて、色気もなくて、誰も相手にしてくれない。だけど、私も、愛と幸せを求めて、来た。

ウブな子を演じるの。体位の名前なんて知らないけど、抱っこが好きなの。コンドームが愛で、それがコンビニで買えるなら、私は笑えてしまう。包まれたら安心して眠くなるの。それが幸せなら、毎日ほしい。

名前は知らない。キスをして服を脱がされるまでの、沈黙。私は好きだった人の顔を思い出そうとしてしまう。「集中して」「ごめん」

たとえこれが、最初で最後の夜でも、あなたと居たことは、忘れませんから。








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