ちはね様に捧げる
実はかなり料理がうまい静ちゃんに食事を作ってもらう帝人君
久しぶりに静雄さんの家に誘って貰ったから、良いところ見せようかと思って夕飯は僕が作るって言ったんだけど……何でこんな事になっちゃったんだろう。
「ん…んぅ、…ん…」
静雄さんと見つめ合ってるうちにいつの間にかソファに押し付けられて…キス、されてる。静雄さんの舌が僕の舌に絡められて少し遠慮がちに吸い付いてくるのにビリッと背筋に快感がはしる。そうしてるうちに静雄さんの手が頭を固定し、もう片方が下肢に伸びる。…繋がっている唇が気持ち良い…。
「帝人、いいか…?」
僕は深く考えずに頷く。このまま流されても良いかな…
あ、静雄さんの手がズボンの中に入ってくる…
その時、ふわりと香ばしい匂いが漂ってきた。あれ、何の匂いだろ…何か、忘れてる?何を…?ええと、静雄さんに、料理を……って
「ぁああああ!!!!」
「なんだっ!?」
僕の叫び声に静雄さんが驚きムードはどこへやら、と手を引っ込める。
でも僕はそれどころではなく乱れた服を無視して台所へと駆け込んだ。
あぁ…やっぱり。
目の前のガスコンロには黒こげの元・魚が鎮座していた。「あぁああ…」
ショックでその場にへたり込んでしまった。…せっかく静雄さんに良いところ見せようと思ったのに、これだ
「帝人、どうし……あぁ、すまねぇ帝人…」
申し訳なさそうに困った顔で静雄さんが僕の頭を撫でてくる。
「ごめんなさい、静雄さん…夕飯……」
作れなくて、と続けようとしたけど静雄さんがキスで唇を塞いで先まで言わせてくれなかった。
「いい。…何か久しぶりでがっついちまった俺がわりぃからな…簡単なもんならすぐ作るから座ってろ。」
少し照れくさそうにそう言ってソファにやんわりと戻されてしまった。
……どうしよう。後片付けもあるのにな、と言うか静雄さんいつもファーストフードばかりだけど料理、出来るのかな…?
などと悶々と考えていたらそんな心配をよそにもう料理が出来たのか静雄さんがコトリ、と僕の前て自分の座る向かい側に皿を置いた。…オムライスだ。
ふわふわに焼かれたとき卵に静雄さんが目の前で切れ目を入れて開く。すると中からとろとろの半熟卵が顔を見せた。
どう見ても素人じゃないんじゃ…
「え、これ…静雄さんが…?」
自分のオムライスにも淡々と切れ目を入れていた静雄さんが顔を上げて照れくさそうに顔を背けポツリポツリと答える。
「ああ、まぁな……ま、食って見ろよ。」
「あ、はい…!」
僕は添え付けのデミグラスソースと一緒にオムライスを一口食べてみた。
「お…おいしい!!静雄さん美味しすぎます!!」
プロ並、と言っても過言じゃないレベルのオムライスだった。僕はそのまま箸が止まらず一気に完食してしまった。
「ごちそうさまでした。」
「おぅ。」
作ってもらったので片付けは僕がして、片付けが終わって冒頭の様にまた二人でソファでまったりする事にした。
「静雄さんがあんなに料理うまかったなんて…びっくりしました。」
「あぁ…昔喫茶店でバイトしてたんだよ。結構長く続いてたんだけどな、マスターも優しくてよ。…だけどな、あのゴミ蟲野郎はどっからでも現れてよ…」
皆まで言わなくても大体予想はつく。臨也さんが現れて店を滅茶苦茶にしてしまったんだろう。
「そんでも…マスターは気にしなくていい、って言ってくれたんだけどよ…そうも、行かなくてよ」
「そうだったんですか…でも、よかったかな。」
「帝人?」
「これ以上静雄さんが料理上手かったら僕立つ瀬無いですから。」
少し口を尖らせむくれて見せる。…少し子供っぽかったかな…?
でも、料理が出来る静雄さんも格好いいんだけど。
「俺そんなに料理上手くねぇよ?」
「そんな事無いです!!お店開いてても不思議じゃないです」
「なんだよ、そしたら帝人はメイドでもしてくれるか?」
ぐい、と僕を引き寄せて耳元で静雄さんがそう囁く。め、メイドって男は出来ないんだけどな…とにかく、メイド服着ろって言われる前にこの話は止めにしなきゃ。
「無理ですよ!!…っと、もうこんな時間なんですね…そろそろ僕帰りますね?」
もう終電まで数本という時間になっていた。僕は荷物をまとめ始めた。
「今日は美味しい夕飯をありがとうございました。毎日でも食べたい位おいしかったです!!」
「帰るなよ帝人。」
ぐい、とまた静雄さんに引き寄せられ腕の中に拘束された。ちょっと、苦しい…かな
「今日は泊まって行けよ帝人。俺も美味しいもん食いてぇ」
「ひゃっ!?」
ぱくり、と首筋に軽く噛みつかれ思わず変な声を上げてしまった。美味しいもんって…なんだろ。もしかして、ってかもしかしなくても……ぼく?
「"いただきます"、な帝人。」
あんてん。
その後散々いただかれて案の定静雄さんちにお泊まりする事になりました マル
ちはね様
グダグダでさーせん!!!
煮るなり焼くなりお好きにww